カテゴリー「ハートアートの森」の9件の記事

2010年10月21日 (木)

かがやきの丘、竣工記念式典

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去る19日、作品寄贈しました「かがやきの丘」の竣工式に行って来ました。

本来なら開校間近の春先に行なわれる物なのかもしれませんが、何しろ工事を終えたのがつい最近らしく(周囲の芝なんか10月になってようやく植えられたとか)、まあ予定通りではあるのですが、とりあえず一応全部が仕上がってからお披露目した方が何かと都合がよろしかろうという事で、この時期なのでしょうか?

工事も終わり、銃器も取り払われた状態を改めて見ると、確かに春先に来たときよりも、明るくて過ごしやすい環境になっていることは一目瞭然でした。

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竣工式典後には校内見学会も行われまして、「ハートアートの森」で作品を納めた他の作家さんたちとともに、施設見学と作品見学をして回りました。
作品によっては開校後に設置場所を変更になった物などもありました。

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寄宿舎の方にはこんな手作りのサインなんかもありました。

作品の展示位置の変更もそうですが、やはり人が生活するようになると、建物の息づかいみたいなものが見えてくるし、また生活者の視線から見た適材適所みたいなものが少しずつ見えてきて、まるで生き物か何かの様に、成長しながら暖かみを増しているのを実感することが出来ました。

秋晴れの中、所々の教室で見ることの出来た授業や実習の風景はとても温かでやさしい雰囲気に包まれていました。

その後、場所を変えて、竣工記念祝賀会なども執り行われ、他の作家さんたちとも交流を深めることが出来て、とても充実した一日を過ごすことが出来ました。

ただ一つ印象的だった言葉が、会式の挨拶の中での「せめてこの学校の中にいる間だけでも、幸せに過ごすことが出来てあり難い(または良かった)。」と言う言葉。
裏を返せば、この学校で学んでいる人たちが、一歩学校の外に出てしまえば、厳しい現実が待っているという事であります。

どんなに素晴らしい学校で、どんなに優れた技術を習得しても、それを受け入れてくれる器があまりにも小さな今の日本の社会。

その他挨拶に立ったお偉い先生方は誰しも「新しくて立派な施設が出来て良かった」と口を揃えておっしゃっていましたが、ここに学ぶ彼らが「本当に良かった」と思えるのは、この学校を卒業した後もちゃんと自立した生活が送れる世界が、目の前にある事を実感できるときではないでしょうか?

少なくとも彼らが暗い気持ちで卒業の日を迎えることがないように、ここにお集りの議員の方々、工事関係の会社の方々、そして私たち芸術家が、少しずつでも良いから、世界を住みやすいモノにして行かなければならないのではないでしょうか?

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2010年9月10日 (金)

秋田県知事からの手紙!?

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「秋田県知事」と裏書きされた封書が届きます。

「もしかして、県民栄誉賞?それとも秋田県芸術選奨?」

そんな心当たりも、あても無いくせに、我ながらつまらない妄想などにふけりながら、開封。

中身は...。

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「あきた総合支援エリアかがやきの丘」の竣工記念式典のご案内。

全然世間知らずで判らないんですが、普通こういったタイミングでやるものなんでしょうか?
まあ、開校当初の4月の段階では、外回りの工事自体が全然終わっていなかった事を思えば、「このタイミングなのかな?」思いますが、そんなおかげですっかり失念していました。

人の使うものはなんでもそうですが、ただおいてある時と、使用している時では表情が全然変わってくる、という気がするので、開校してから約半年、建物がどんな風に人となじんできているのか、見てみたいような気もしますし、実際、私の作品を、どんな風に感じているのか、興味がある所でもあります。

さて、どうしましょうか?



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2010年4月 5日 (月)

かがやきの丘、一般公開

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去る土曜日、「かがやきの丘」の一般公開に行ってきました。

朝からあいにくの雨模様と周りの工事の進捗状況から考えると「長靴必携!」と思いきや、入口前の巨大な駐車場がオープンしており、そこから楽々入校する事ができました。さすがに今日は工事の方も一時ストップしておりました。

建物の入口で受付を済ませ、ふっと顔を上げると、さっそく大きな作品がお出迎え!!

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これって獅子ガ鼻湿原の「あがりこ大王」ですかね。
この作家さんのブログに寄れば、何度も足しげく通って取材をされたそうで、そんな思い入れが伝わってきそうな大作ですね。

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その同じ玄関内にあるもう一つの作品がこれ。
言われなければ、作品とは気が付かないほどすっかりその場所になじんでいて、違和感無く溶け込んでいる感じです。
同系色のビーズを画面一杯に貼り込んだ作品で、見た目にも微妙なトーンの移り変わりが楽しめます。
そしてこの作品、タッチOKということで、そっと触ってみると、何とも不思議な感触で「見て美味しい、触って楽しい」というまさに「一粒で2度美味しい」作品です。

それからしばらくは、館内を見て回ります。
建物正面から向かって左側の方は共用棟と盲・聾学校の施設で、中には寄宿棟なんかも完備されています。
普段こういう建物に接する機会のない私から見れば、新しくきれいな建物で良い感じに見えますが、ここで過ごす人たちに取ってはどんな印象なのでしょうか?

外には真新しいプールなんかも見える一方で、まだまだ工事が残っている所(と言うか手さえつけられていない所)ばかりで、この日の雨で沼みたいな水たまりができている所もありました。しばらくは工事車両の行き交う中での生活を余儀なくされるでしょうね。

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こちらは大体育館の壁面。
ここにも作品がありました。ここは手すりがあるため、下からは見づらいですが、上のギャラリーからゆっくり眺める事ができます。で、そのギャラリーの入口を捜していると

『本日の一般公開は12時をもちまして、終了とさせて頂きます...」

との突然の校内放送
時計を見れば残り時間わずか10分程度。
と言う訳でここからは慌てての見学。

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と言いつつ、ランチルームの様子もパチり!
そこから真っすぐ小体育館へと駆け足で向かいます。

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取り付けの日は、まだ足場が組んであったままでしたが、今日はそれも撤去され、ご覧の通り!!

10040506こんな風に素敵なネームプレーもつけて頂いて、これで彼らも正式にここの「住人」として迎え入れられたようです。
これからはここでこんな風に、たくさんの子どもたちと過ごす事になりました。

描いているときは正直、
「なんでオレ、こんな作品描いてるんだろう?」
などと思い悩んだ事もありましたが、今にして思えば、これらの作品に色々な場面で助けられたような気がします。
そんな作品たちに、最後に素敵な展示場所を見つけて上げる事ができ、せめてもの恩返しがで来たのではないでしょうか?

ちょっとさびしいような気もしますが、しばしのお別れです。

————————————————————

今回の一般公開、午前だけという短い時間でしたが、そういう時間を設けてくれるのは良い事ですが、せっかくのこの機会ですから、「ここにこの作品があります」的な案内のプリントでも一枚用意してくれたら、もっと嬉しかったです。
何せ広い建物ですから、事前の予備知識でもなければ、見落とししてしまう事、必至です。

「ハートアートの森」のスタッフの皆さま、次回このような機会があれば、ぜひよろしくお願い致します。



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「第28回上野の森美術館大賞展」はもうすぐ始まります!
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2010年3月29日 (月)

搬入に行ってきました!

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本日はレンタカーを借りて、秋田まで。
いよいよ「かがやきの丘」へ作品を搬入です。

太陽が顔をのぞかせているかと思っていたら、突然、吹雪いてきたりと、天候はめまぐるしく変化します。

それでも、大きな問題も無く、約束の午後2時前には、設置場所に到着。当分終わる工事も終わる気配がない敷地内を搬入口まで車を走らせます。

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業者の方で予定していた設置方法が、上手く行かず、急きょ別のプランへ変更。
総勢4人で行なっている訳ですが、最初の一枚目が壁に着くまでには30分以上かかりましたが、一枚付いて、方針が決まってしまえば、後はその方法の繰り返し。次々と作品が取り付けられて行きます。

5時すぎには全ての作業が終了。

色々と行き違い等もありましたが、こんな風に完成してみると今までの苦労も吹き飛んでしまうくらい、良い出来です(自画自賛?)

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この後キャプションを取り付けたり等の最終作業は残っていますが、とりあえずは一応の決着がついたような気がします。

お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。

4月3日には学校開放も予定されているそうなので、興味がある方は、ぜひ、あいをお運び下さい。



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「小さな美術館がやって来る!」計画、進行中!
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2010年3月 3日 (水)

どうなる事やら...?教育庁との会見

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本日午前、「ハート・アートの森(あきた特別支援エリアかがやきの丘)」に納める作品に関わって、秋田県教育庁特別支援教育課の方と会見の予定です。

お忙しい中、わざわざ湯沢まで来て頂くのもはなはだ恐縮ですが、相手側の方からの申し出もあったことですし、できうる限り、両者の要望に近い形での契約完了と行きたい所です。

「受け取る側(県、教育庁)が、作品について
 どう考えているかを自分の目で、耳で確認する事」


一端、手元を離れた作品に付いては、作家本人でさえどうする事もできません。
だからこそ、その前に思いつく全て、できうる限りの事を全てやっておきたいという気持ちです。

完全複製が不可能な一点ものであり、「モノ」である以上、いつかは壊れ消えて行く運命からは逃れられません。
それこそ作品自体に「チカラ」がなければ、「泡の如く」消え行く運命なのかも知れません。

80年後くらいには、最近よくある、取り壊し物件からの「備品大放出」みたいな中に、私の作品も混ざっているかもしれません。

あわよくば誰かに拾ってもらえるのかもしれませんが、
あんな大きな物、誰も持って帰らないよなぁ...



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2010年2月25日 (木)

契約書

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先日、「ハート・アートの森」に関わって、「秋田県教育庁特別支援教育課」の方から、書類が送られてきました。

実を言えば、この前日に「搬入日についての連絡が無い」と同事務所に電話しましたが、担当者不在のため、後日連絡頂く約束をしていたのですが、その電話がいっこうに来ず、カリカリしていた所にこの封筒が舞い込んで来たので、内容を確認したところ、私の怒りのボルテージは頂点に達します。

早速、電話。呼び出し音2回で、担当者にアクセス!

第1の怒り/指定された搬入日!

 私「事前の書類でこちらの都合はお伝えしましたよね?」
担当「中野さんのご都合がよいのは土・日でしたよね?」
 私「確かにそういいましたが、お願いしたのは2月でしたよね?
    それがどうして3月になっているんですか?」
担当「みなさんの都合に合わせて
   取り付け業者さんを何度も呼ぶと大変なので...。」
 私「こっちはボランティアでやっているのに、業者の都合とは何事だ!!」
  「だいたい作家本人が取り付けに立ち会えないとはどういう事だ!」
担当「業者の都合というよりも、『子どもたちのために』そうしているので」

教育関係者の大人がよく使う責任転嫁の逃げ台詞..子どもたちのため

結局の所、私たち作家の都合などは、業者の都合の前では鑑みられないようです。

第2の怒り/著作権

最近、何かと話題になるこの「著作権」。

今回も「著作物利用許諾契約書」という書類がやって来て、サインを要求されて来ました。
で、中に目を通してみると、こんな一文が見つかります。

<独占的許諾>
「前条の許諾(作品を展示・複製・頒布に利用する)は、独占的な物とし、甲(作家)は、乙(秋田県知事)以外の第三者に対し、印刷物における複製、頒布の形態で本著作物を利用する事を許諾してはならない。」

これって要するに、自分が「画集を作りたい」とか「絵葉書」を作って販売したいと思ってもできないって言う事ですよね。
もともとの著作権は私にあり、また、最初から「版権を手放す」ような契約に同意もしていませんので、この書類にはハンコは押せません。

第3の怒り/作品を管理するのは誰か?

他の人が何と言おうと、公募によって審査委員が「優れていて、その場にふさわしい」として選ばれた作品であり、実際、審査講評の中にも「作品の芸術性や作家の今後の可能性も評価したい」という事であれば、これは「芸術作品として評価されたもの」であります。

そうであるならば、作品を維持管理する団体を明確にし、例え50年後、建物が壊される事があっても、その作品たちの維持管理を誰かに引き継いで欲しいのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なぜ、こんなことを偉そうに書くのか?」
そんな声が聞こえてきそうです。

でも、ここで大声を上げて色んな事をちゃんとしておかないと、ある意味自分のかわいい子どもの様な「作品」たちは、いつかどこかに葬り去られてしまうのです。
「お役所仕事」見え見えの対応や、優先順位の取り扱い方を見てもとても心配です。

このまま黙っていたら、私たちの作品が、時計や黒板と同等の「備品扱い」にされそうで....

何とも怖いのです。

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2010年2月22日 (月)

返事がない...?!

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以前「もうすぐお嫁入り(2月16日付け)」と書いた作品なんですが、その後、先方から何の連絡もありません。

「(2月)20日でも良いですよ!」

と、お返事したはずなんですが、その日付を過ぎても何の連絡もありません。

一体、どうしたんでしょうか?

今さらキャンセル??

単にお役所仕事だから???

今日は平日なんで、連絡が来なかったら、こちらから電話でもしましょうか。



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2010年2月16日 (火)

もうすぐ「お嫁入り」?

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細かい部分の契約はまだ済ませておりませんが、そろそろ「お嫁入り」の日取りが決まりそうです。

行き先は「あきた総合支援エリア かがやきの丘」。

一点一点描いている時は、ただ必死なだけで、これがこんな風に「シリーズ化」されたり、小学校で展示されたりするなんて考えもしなかったし、まさか「続編」を作る事になるなんて想像もしていませんでした。
「一点のみ」の作品なら、一発屋の如く、とりとめの無い作品で終わっていたかもしれなかった作品が、連作になる事で「物語」のようなものが生まれ、どちらかと言えば、自分が今まで「あまり眼中に無かった世代=子どもたち」まで巻き込んでいった作品。

こんな細かい作業自体、日々衰え行く視力の前では、継続が困難なのはわかってもいるので、「ライフ・ワーク」と呼べる様なものにはなるはずも無いが、それでも「自分の考え方」など、色んな意味で自分を変えてくれた作品たちでした。

 ・数十年後、建物を取り壊す時の作品の移転先は?
 ・作家が問題(例えば犯罪行為)を起こした時の作品の処遇は?。
 ・作品の貸し出しはしてくれるの?

などなど答えて欲しい質問が幾つかありますので、その辺りをクリアすれば、いよいよの「お嫁入り」です。

行った先でも、見る人たちを楽しませてくれると良いですね。



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2009年7月31日 (金)

知らない所で、大変な事になっているらしい!?

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「中野さんの事が、魁新報(地元紙)に載ってますよ」

昨日、知り合いから届いたメールで、初めて知りました。
最初は湯沢でのグループ展の事だろうと思って、近くのコンビニまで走り、その新聞を見てビックリ!!

それとは全然、別の件で大きく取り上げられてました。

ハートアートの森プロジェクト

と言うもので、これは簡単に言うと
「秋田県が来年の4月に開講を目指している施設『こども総合支援エリア』と言う場所に設置するアート作品の公募」に出していたプランが見事に審査を通過し、その場所に私の「動物と都市」を描いた一連の作品が、展示される事となったらしいのです。(プロジェクトの詳細についてお知りになりたい方は、リンクを貼っておきましたので、そちらをご覧下さい。)

なぜらしいかと言うと、新聞に写真付きでの発表ですから間違いのない事だとは思うのですが、当の作家本人には、関係各所からは、まだ何の連絡もないのです。だからもちろん、実際の展示プランなどの詳細も不明であり、喜びよりも、むしろ狐につままれたようで、不安材料のほうが大きかったりします。

さて、今後の展開はいかに相成るでしょうか?

ということで、この新聞にも掲載されました「キリンさん」ですが、一足先に今回のグループ展に出品する事にしました。この実物が見たい方はぜひ、会場に足をお運び下さい。

いよいよ明日の開場となります。

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世界ノカケラ 湯沢展
  田村寛維(写真)/中野修一(油彩) 作品展

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  日 時:2009年8月1日(土)〜7日(金)
      1日〜4日//10:00〜19:00
      5日〜8日//10:00〜21:00
  会 場:秋田県湯沢市表町2丁目5−23(皆常商店 旧事務所)


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