カテゴリー「画廊・美術館」の4件の記事

2009年5月11日 (月)

いつもと違う美術館で

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 山形美術館に行きました。

 その名の通り、山形県は山形市にある美術館で、「県」とか「市」とか付かない所を見ると、たぶんこの両者が力を合わせて建てた美術館なのかも知れません。

 まあ、そんな内情はともかく、「四大浮世絵師展」を観に行きました。その日が最終日でしたので,詳しくは書きませんが、写楽、歌麿、北斎、広重の4人の作家の浮世絵に焦点を当て、その違いや共通点を浮き彫りにして判り易く見せてくれる、締まりのあるなかなか良い展覧会でした。ただ途中にある絵の解説のキャンプションが多過ぎるので、観覧者の流れが滞る事が多く、さらに音声ガイダンス組がその停滞をさらに澱ませています。まあ、逆に考えれば、それだけよく見ている人が多いということですし、この解説が、作品をより深く見るための手がかりにもなっているのであれば、それはむしろ良い点と考えるべきですし、実際,ゆっくりの流れに合わせたおかげで,いつも以上に丁寧に鑑賞する事ができました。

 建物自体は、そんなに新しくもなく、個性的な外観以外は目新しいものはないように思いました。

 ただ、そんな中で一つ、ちょっといつもと違う雰囲気が、会場内にあふれている事に気が付きます。

 前述しましたが、企画展最終日でしかも日曜日ということもあってか、入場者はかなり多くおりました。そしてそんな中で鑑賞していると、あっちでもこっちでも乳児がムズがった時に発するような奇声や、泣き声が飛び交い、エントランスでは鬼ごっこをする幼児が居たり。よくよく見わたしてみると、

 小さい子連れの夫婦(や祖父母)さんの姿が実に多い!

 さすがにこの混雑の中でベビーカーを押しながら、という方は居ませんでしたが、小さい子を抱っこしながらとか、手を引きながら見ている方の多さには驚きました。

 最近では、図書館での子ども対象の「絵本読み聞かせ」イベントさえも「うるさいから止めてくれ!」と言う無粋な大人が多くなって来た事を考えると、こういった落ち着かない環境で鑑賞しなければならない事に腹を立てている方も少なからずいるでしょう。
 もちろん鬼ごっこや大声で関係のない話をしている子どもたちに対しては、時には叱るべきかもしれません。

 子連れの夫婦などを「周囲に配慮して」と言って閉め出すのは簡単ですが、むしろ周囲の人たちがそういった人たちに「配慮」できるようになることで、美術に関心を持ってくれる人の底辺が広がり、その事で入場者数も増せば、次にはより充実した展覧会も開ける訳ですし、何よりも「人に優しい」環境が、我々の心の中から広がっていくような気がします。



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html

第27回 上野の森美術館大賞展のサイトです。
  何もないサイトですが、受賞作品だけは見れます。

http://www.ueno-mori.org/kobo/taisho27/index.html




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2009年4月29日 (水)

ミュージアム・ショップに売っていないもの

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 もちろん、ミュージアム・ショップに売っていない物なんてたくさんあります。生鮮食料品などの日用雑貨はもちろん、自動車やバイク、家電なども売ってはいません。
 そんな物をあげていっても切りがないし、そもそも何の意味もないんです。

 じゃ、いったい、何が言いたいの?・・・続きを読んでみて下さい。

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 先日、出かけた岩手県立美術館のミュージアム・ショップで、うちにあるのと同じ作家さんの手による香立てを発見。「こんな所でも買えるんだ」と感心しつつ 、よく見るとこの一角だけ、地元作家さんによる「オリジナル・アート小物」みたいな物が販売されているコーナーになっています。

 ミュージアム・ショップ(以後、ショップ)と言えば、一昔前は、企画展及び収蔵品の絵葉書や図録、複製画とその他関連書籍などがおいてあるぐらい。それがいつしか、クリアファイルにノートやメモ帳など、作品写真がプリントされた関連グッズなどに始まり、今ではバッグやハンカチ、マグカップに傘など、その範囲は広まる一方で、福島県美で見た、ワイエスの絵がプリントされたTシャツにいたっては、「これをどうすりゃ良いの?」などと悩むほどで、最近はちょっと節操もなくなって来ています。さすがに「蜷川実花の花がプリントされたパンティ」なんてのはありませんでしたが、一つ間違えばそんな物まで出て来そうな勢い。
 おまけにいまじゃ、あまり珍しくもない「美術館オリジナルロゴ」入りのグッズなども、ボールペンやエコバックくらいなら笑って済ませられますが、カフスボタンやタイピンなどの装身具にいたっては「美術館関係者以外、誰が買うんだろうか?」と首を傾げてしまいます。

 そしてもちろん、どこぞの美術館のロゴも、似たような物ばかりで

「パッと見、区別がつかないぞ!」

 ・・・・・と突っ込んでおくのも忘れません。

 そんな事を思いながら、ショップを眺めていて、ふと、妙な違和感が胸中をよぎります。

「もっともミュージアムらしいのに、
        決してショップでは売っていないもの」


 そんな物がある事に気が付いてしまいました。

 それは・・・・・・・・「絵画と彫刻」 

 皆さんの中で、美術館で絵や彫刻を購入した事のある方はいますか?そこまではいかなくとも、そんな物が売っているミュージアム・ショップを見た事がありますか?

 もちろん、展示室に展示されている作品は売られてもいませんし、当然買えません(「市民ギャラリー」みたいな例外もありますが)。だからその代替えとしてポストカードや複製画などが販売されています。そしてそこから派生して、今では実に様々な関連商品が売られるようになり、「アート小物」的な、ちょっと部屋に置いたり、または使って楽しいグッズなども販売されるに至りました。

 しかしながら、今だ複製ではない、本物の絵画や彫刻を常時販売しているミュージアム・ショップを、私は知りません。

 「美術館」とは美術品を好きで見に来る人たちの集まる場所のはず。
 しかし「絵画や彫刻」とは、それを愛好し観に来てくれる人々にとっても、「手の出しづらい、買いにくいもの」なんでしょうか?

 では、「絵画や彫刻」はどこで、誰に売れば良いんでしょうか?



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html

第27回 上野の森美術館大賞展のサイトです。
  何もないサイトですが、受賞作品だけは見れます。

http://www.ueno-mori.org/kobo/taisho27/index.html




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2009年4月28日 (火)

これからが楽しみです/岩手県立美術館

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 先日の「蜷川実花展」を開催していた美術館の紹介。

 私が弘前で学生をやっていた20数年前にはなかった美術館。詳細は判りませんが、ここ最近で来たようで、市内からはちょっと離れた広々とした場所にありました。

 こちらは駐車場側からの外観で、こちらの入口に立って正面を眺めると目の前に岩手山が見えると言うなかなかのロケーション。まわりにマンションなどの高い建物が立たない限りは、大丈夫でしょう。

 ただこの時は気が付かなかったのですが、どうやらこちら側は「裏玄関」。正面入口はそのエントランスの反対側にありました。

 中に入るとこんな風です。

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 左の写真のような吹き抜け構造のエントランス(またはだだっ広い廊下)&階段で、この吹き抜けの右側に一階が企画展示室とショップがあり、2階には常設展示室とライブラリーがあります。

 このライブラリーは絵本も充実しているらしいので、美術鑑賞の苦手な子どもと来館した時は、こちらに連れて行って夫婦交代で鑑賞する、ということも出来そうです。少なくともこういう施設でごまかしながらも、小さい頃から美術館に来るという習慣を付けていく事は、決して悪い事じゃないと思います。

 右上の写真は一階企画展示室の途中にあった休憩室からの眺め。
 天気が良ければ岩手山も見えるバツグンのロケーションでしたが、エアコンが効いていないせいか温室状態で、2、3分いただけで喉がからからになって来ました。

 その下の写真が2階へ続くだだっ広い階段の突き当たりから下を眺めた風景で、この建物のスケール感が何となく判ります。この写真の左の方に写っているのが常設展示室へと至る廊下です。

 ここの常設展示は、萬鉄五郎、松本竣介、船越保武をメインに岩手県にゆかりのある作家の作品を多く収蔵・展示してありました。

 そんな中に大学でもお世話になった教授の作品もひっそりと展示してあったりします。懐かしい物を感じつつ、生前の元気な姿をよく知っている私にとっては、この方がすでに他界している事実も、何となく信じ難い気がします。

 その他一階にはレストランもあり、こちらは美術館の営業時間外でも独自で営業できるような構造になっていました。

 そうそう、一番最初の写真の入口前にジャンボタクシーが停まっているのが見えると思いますが、行きがけに中をのぞいてみたら、これから結婚式でも始めそうな衣装の女性が見えました。で、館内を見終えて、ふと窓から外を見ると少しは慣れた所に今度は和装の結婚式衣装に身を包んだ人たちと、それを中心に十数人の集団が歩いている姿が見えました。ひょっとしたらあのエントランスの階段をバージンロードに見立てて結婚式?それとも写真撮影?そんな事を想像させるワンシーンでした。

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 周囲には科学館や博物館みたいな物もある広い敷地内に、その美術館はありました。まだ、真新しいおかげで、その公園自体も、植えられた木々が小さかったり、工事が途中みたいだったりで、まだまだちょっと落ち着かない感じでしたが、あと数年、市民に愛され、大切にされていけば、きっとのんびりと落ち着いた時間を過ごせる素敵な公園に育っていくのではないでしょうか?



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2009年4月 9日 (木)

のんびりできる場所/酒田市術館

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 上の写真は、夕日に輝く金閣寺・・・じゃなくて、山形県は酒田市にある土門拳記念館。
 この建物が出来て間もなくの頃、一度行っただけの美術館でしたが、昨年久しぶりに訪問して、この施設にすっかり惚れ込んでしまいました。

 ここのいい所は館内のあちこちにあるイスとその置き場所なんです。ずっと座り込んで作品を眺められるものはもちろん、目の前に広がる池をぼんやりと眺めながら、そこに遊びにくる渡り鳥を観察したり、そのまわりの桜並木を鑑賞できたり・・・。
 一方その外側に出て、その池をまわりを散策したり、眼下に流れる最上川が夕日に染まる光景に見とれたりなど、ちょっと町外れにあるので、散歩がてらというロケーションではないのかもしれませんが、ちょっと車で来てのんびりしたり、犬を連れて散歩に来たりできる素敵な場所でした。
 これはもちろんよそ者である私の感想ですから、実際、地域住民がどう思っているのかは判りませんが。

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 そしてこちらがそのすぐ側にある酒田市美術館
 一見、どこにでもありそうな地方美術館なんですが、そのなにげない佇まいに秘められた工夫に驚いてしまいました。

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 入口を入るとそこには縦長のエントランスがあり、その一方がガラス張りになっていて、そこには広場があり、さらにその奥には酒田の町並が見えます。
 この広場を囲うように右手に喫茶、左手に企画展示室と常設展示室がコの字型に配されています。その企画展示室自体は、それほど大きくもなくこじんまりとしていて、それほど目立った特徴もないのですが、その先の、わずかに下るように廊下を歩いてたどり着く常設展示室の方が面白いんです。
展示されている作品自体には好みもあるので何とも言えませんが、その辺りは笹薮と木立に囲われていて、雑木林の中に迷い込んで来たような不思議な感覚にとらわれます。さらにその奥のガラス張りの休憩室なんですが、立っているときは笹薮の向こうに酒田の街並が見え、一方、イスに腰掛けると、薮と木立の間に空が見えるだけとなり、そこでぼんやりしていると、森の中で瞑想しているような気分になってくるんです。

 ちょっと気分転換にのんびりとできる場所。

 今回絵本原画展を観に来たのですが、春休みということもあり、月曜日にも関わらず、休まずに営業されているのです。こんな細かい配慮もちょっとうれしいです。

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 私の住む秋田県でも、美術館の移転計画が進行中です。でも騒がれているのは、「どこに移転するか?」とか「誰に設計を頼むか?」なんてことばかり。
 近所の某近代美術館を見るに付け、
「窓から景色を見るなら高い方が良い」的な発想で、建物を高くし、「大は小を兼ねる」が如く無闇に広く、その実中身はスカスカ。企画力も集客力もない「箱」がまた増えるのかと思うと、頭が痛いです。

 本来、美術館の問われるべきものは「中身」であります。作品もなければ、人材も無く、ましてやその為の資金も思案もないのであれば、せめて、市民が憩える場所としての機能だけでも充実させて欲しいと思います。

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 本当に、前述の2つの美術館が存在するというだけで、ちょっと移住してみたくなる、そんな酒田市にある素敵な場所でした。



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
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私の作品が西脇市サムホール大賞展に入賞しました。
http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/




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