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2015年10月13日 (火)

いわゆる「ギャラリーのプロ」

15100503

アートフェアに来てみてわかった事。
それは規模の大きな画廊になればなるほど、その会場にはほとんど「作家」は滞在していない。

ひょっとしたら近くには居るのかもしれないが、少なくともそのブースに長く留まっている事はない。それは遠く海外の作家に留まらず、開催国の作家においても状況はほとんど同じで「ちょっと近くまで来たから寄ってみた。」と言うことはあるかもしれないが、けっして長くは滞在していない。

その理由は何となくわかるような気がする。
作家にだっていろんなタイプがいて、みんながみな性格や人当たりが言い訳でもないし、恥ずかしがり屋で人と上手くしゃべれ無い作家だっているだろう。
中には、正直居るだけで、商売の妨げになる様な作家だっているかもしれない。

そこでいわゆる「ギャラリーのプロ」が登場する!

第1にその構成メンバーは恐ろしく少ない。必要最低限の数だけだ。
オーナーなどの責任者と1〜4名くらいのスタッフが、暇を持て余しているようにあちこちをブラブラとしていることもなく、さりげなく会場にいる。
そしてちょっとでも興味がありそうで、他の人たちよりちょっとだけ長く作品を見ているような人をみかけると、さりげなく近づき声をかけ、その客が知りたいと思う作家や作品の情報を少しずつ開示して行く。
そう、もちろん彼らはそれらの情報を広く深く熟知していて、作家のようにナニからナニまでただベラベラとしゃべるのではなく、その客が聞きたそうな情報だけを、さりげなく提供する。
もちろん、私たちみたいな、いかにも「作家です」と言う人には近づく気配さえ無い。
そんな風に言葉巧みにお客を引き寄せたら、ポートフォリオや作品集を手に、今度は相手の欲しいタイプ(サイズとか色合いとかモチーフとか)の作品をさりげなく聞き出す。

そこまできたら、あと一息、他のスタッフがさりげなく設置された物置から、またまたさりげなくストックの作品を取り出し、それを一同に並べ品定めをして頂く。

買い手も人間だから、そこまでさりげなく運ばれてしまえば気持ち良いし、何となく「買わなきゃ帰れないかな?」と言う気持ちにだってなってくるかもしれない。
そして気が付けばお客は、作品が自宅の壁にかかっている光景を頭に浮かべながら、その作品の中の一つ(あるいは数点)を指差し、バックからカードを取り出している。

最後に彼らは全員笑顔で今日の出会いを喜び合い、握手をかわし、ひょっとしたら次に合う約束をして、別れを惜しむ。

それがつまりアートフェアにおける「ギャラリーのプロ」たちなのだ。たぶん。

とかくののアートフェアと言う場所においては、作家のもの作りに対する熱意やこだわりも、このプロの前ではなかなか太刀打ちできない。

でもだからって、彼らに恨みがある訳でもないし、悪く言う気などみじんも無い。

だってそんな彼らも、きっとその作品たちを愛していて、ひょっとしたら一番のファンなのかもしれないんだから。

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