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2013年11月18日 (月)

今度の「大恐竜展」はスゴかった!!

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現在、東京は国立科学博物館にて開催されております特別展「大恐竜展〜ゴビ砂漠の驚異〜」に家族で行ってきました。

職業柄、同じ上野なら「ターナー展」とか「ミケランジェロ展」なんかに一人で行けば良いじゃない!と言われそうですが、なぜか頭の中が「恐竜脳」モードから切り替えることができず、そのまま子どもの後に付いて、夜の科博へと流れて行きます。

会場に入ってすぐに上の写真の「プロトケラトプス」の化石を見た瞬間、「この展覧会はちょっと違うぞ!」とワクワクしてきます。

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上の写真(ハドロサウルスの頭骨とタルボサウルスの脚の指。実物)なんですが、化石というよりは「骨」そのものに見えませんか?
化石とはそもそも骨が「石化」したモノで、その色や質感はどうしても岩っぽかったりする事が多いのですが、ここの会場に並んでいる化石はツルツルして色も白っぽくて、骨そのもの?と見紛う化石が数多くあります。

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そしてこの繊細さも驚きの一つ。
子どもの恐竜好きのおかげで、私もけっこうあちこちで化石を見てきましたが、こんな細い胸骨(肋骨?)1本1本までもクリーニングし、さらにその反対側の骨までしっかり見える全身骨格なんか、今まで見た事がないような気がします。

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理由はこれらの発掘場所が「砂漠」であるという事に深く関係があるそうで、こんな繊細なクリーニングができるのも、化石を覆っているのが砂岩という比較的柔らかく削りやすい岩石だからだそうです。
また他の発掘場所でなら通常、全身バラバラで発見される事がほとんどの化石ですが、やっぱり同じ理由で、ほぼ全身が関節した(繋がった)状態で見つかったり、その恐竜が死んだ時の状態のまま発見される事が多いそうです。
ちなみに上の写真のプロトケラトプス類の子どもたちの化石も、砂嵐に巻き込まれて亡くなり、その時の砂に埋もれたまま化石化したのではないかという事を、推測できるほどに極めて保存状態の良い化石らしいです。

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中にこんなクリーニング途中みたいな化石も展示してありますが、よく見ると包んでいる新聞紙が日本の新聞なんです。
この新聞、発掘現場ではとても重宝する品物である事は確かですが、当然モンゴルで発掘している訳ですから「何も日本から持って行かなくても、現地で調達すれば良いんじゃない?」と思うのですが、博物館の方の話によれば「日本の新聞紙が紙質が良くてとても使い勝手が良い」ということで、わざわざ大量に運んで行くんだとか。

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で、今回のこの展覧会のもひとつの目玉は実物の化石が多い事。
特に上の写真のオピストコエリカウディアというティタノサウルス類(ブロントサウルスとか呼ばれていた首の長い草食恐竜の仲間)の恐竜の実物化石を使って全身を再現している物は世界でも稀で、この骨組みにしても、この展覧会のためにわざわざ作った物だそうです。
なかなかそうできない一番の理由はそれが重過ぎるからであり、例えばこの写真中央の大腿骨(1メートル程度)だけでも約270キロあり、さらにこれを固定する金属製の骨組みだけで2トン近くにもなってしまうというのであれば(ひょっとすると聞き間違いで、化石の重量込みの重さかが2トンかも?)、なかなか総簡単に作れる代物ではないでしょう。

じゃあ、これが単純に「ちょっとやってみたいからそうしてみました」的な趣味の範疇かと言えば決してそうではなく、こうやって組む事でこれをさまざまな角度から見て研究する事が可能になり、時間と手間の節約になるそうです。
実際、これが地べたに置かれたままの展示であれば「この裏側を確認したい」と思っても、なんせ270キロですから、容易にひっくり返したり、移動させたりする事ができませんからね。

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通常は実物から型取りしたりしてFRPみたいな軽い素材でレプリカを作って再現するのですが、そう言ってしまうと「何だ、レプリカか!」とがっかりしたり、中には軽く見たりする人もいるそうですが(自分もかってはそうだった)、上の写真の標本のように「レプリカ」と言われなければ判らないほど精巧な物もある訳で、レプリカといえども見る価値は十分にあると思います。

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で、この辺りが今回の展覧会でももっとも目立つ展示です。
ちなみにどちらも実物を使った再現標本で、右側がサウロロフスと言う草食恐竜なんですが、なんとなく勝手に「草食恐竜って、肉食恐竜よりも小さめ」と思い込んでいたせいか、背中までの高さが3メートル近く有り、隣のタルボサウルス(ティラノサウルスの仲間の肉食恐竜)と比較しても何の遜色もなく、戦いようによっては、草食と言えど、決して100%負けるとは限らないんじゃないかという気がします。

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こんな風に恐竜と言われて思いつくイメージに「体の巨大さ」があるせいで、過去にも「大恐竜展」と言われた展覧会があったかもしれませんが、今回の企画展はまさにこの「大」という言葉がふさわしい、質、量ともにとても見応えのある展覧会でした。

あと毎週金曜日に行われる夜の延長公開もお薦めですよ!



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら

  http://nakanoshuichi.com/

Shuichi NAKANO official website / English edition

  http://nakanoshuichi.com/eng/top01.html


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