念願のリアル発掘体験!!
ある晴れた日の日曜日、湯沢市内某所、とある山中の今は閉鎖されている林道を、ハンマー片手に黙々と歩く何やら不可思議な一行。
彼らが向う先には....
化石の出る露頭が待っておりました。
一見、何の変哲も無さそうな岩盤で、普段なら絶対見過ごしそうですが、よくよく見るとあちこちに貝の化石が露出しているのがはっきりと判ります。
(上の写真の子どもの手のすぐ右側にも、大きな化石があるんだけど判ります?)
この辺りの地層は新生代の初期の頃の物で、時代的に恐竜の化石は出ませんが、当時この辺りは暖かい海だったらしくこんなのを始め、貝化石がたくさん出てきます。もちろん可能性的には魚類とか海生の哺乳類などの化石が出るかもしれないんですが。
まあ、そんな話はともかく、「貝化石」と言えばすでに男鹿半島の海岸で経験済みですが、そちらは「化石」と呼ぶわりにはあんまり「石っぽく無い」のと、「拾って採取するだけ」ということでイマイチ盛り上がりませんでしたが、こちらは本当の化石発掘よろしく「岩盤に取り付いて、ハンマーで崩して見つける」ということで、テンション上がりまくりでした。
ちなみに上の写真の化石は、目的の化石を掘り出そうと割り出した周囲の破片の中から偶然見つけた物です。
最後の方ではこの発掘体験の為にボランティアできてくれている学生さん?にコツなんかも教わりながら、ずいぶん掘るのには難しそうな化石の密集した部分から、たくさんの化石を取り出していました。
今回のこの発掘体験は「湯沢市ジオパーク推進協議会」の企画で開催された物でして、午前中の発掘を終えたら、午後からはお約束の通り、旧高松小学校内にある「三途川化石資料室」へ。
この場所からほど近い所にある三途川渓谷付近で発掘された昆虫や植物の化石を中心に展示されている訳ですが、「恐竜じゃないのかと侮るなかれ!!」ということで(正直、実際見るまでは私自身ちょっと侮ってました。汗)、そのクリーニングの丁寧さなど標本の美しさと質の高さには正直驚かされました。
写真はありませんが、蜂みたいな昆虫の化石にいたっては形はもちろんですが、中には色までも識別できる様な物もあって見応えもありました。
ちなみにここに展示されている化石の多くが、こちらの「押切伸」と言う先生が採取された物だそうです。
資料室見学のあとは今掘って来た化石のクリーニング体験ですが、うちの場合、今回たまたまきれいに取り出せた物ばかりで、あんまり面倒な手間もなく終了し、その後、今回の企画のために来て頂いた貝化石のエキスパートの小笠原憲四郎教授に分類もしてもらい、本日の日程は終了しました。
今までも何度か「発掘体験」に参加した我が子でしたが、行ってみたら「拾うだけ」と言われたり、どこかから集めて来た石を割るだけ、なんて物がほとんどでしたが、今回は実際に岩盤に取り付き、汗水たらし泥だらけになりながら化石を掘り出せた(しかも周りの大人に発掘のノウハウを教えてもらえた)と言う事で本人もスゴく楽しんでいたようで、とても貴重な体験をさせてもらえた様な気がします。
貝化石という事で、楽しめるかな?とちょっと心配な部分もありましたが、こうやって見ると、あまりにも断片的で本当の専門家じゃないと判りにくい大型の動物の化石よりも、小さいからこそ視覚的にも判りやすい貝化石みたいな物の方が、最初の体験としては、むしろ良かったんじゃないかと思う今日この頃。
ジオパーク推進協議会の方々を始め、お世話になったたくさんの方々に感謝しつつ、次はいつかと首を長くして待っている私たちでした。
ありがとうございました!!
中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
Shuichi NAKANO official website / English edition
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