10月は二人展。
伊藤隆さんとお会いしたのが、20年以上前の大学時代(青森県)。
私が入学する前の年に亡くなられた絵画の先生の後任として赴任してきた先生でした。
教育学部とは言え「美術系」と言う事もあってか、今にして思えば個性的な先生が多かったのですが、この先生もちょっとした瞬間の目つきの鋭さに「きっと何かあるんだろうな」とは思ってましたが、案の定、実習室の掃除をさぼっている学生を見つけて「廊下に立たせる」という行為にいたったのはまさにこの人でした。
(その中の一人に私が入っていたことは言うまでもない?)
まあ、これは直接美術とは関係のないエピソードですが、当時はそれくらい怒らせると怖い先生でした。
それ以上に驚かされたのが、赴任したばかりのある日、とある卒業生(5年くらい前)の版画の個展を観に行った時のこと、その作家さんが冗談半分で「この中で新作じゃないのが一点だけあるんですけど、わかりますか?」と冗談半分で言った言葉に、瞬時にして目つきの豹変した伊藤先生。私たちを廊下に立たせた時と同じ鋭い視線で数分間、展示を見て回り、その旧作をピタリと言い当てたのでありました。その場に偶然居合わせた私でしたが、その光景を目の当たりにした時「この先生は信じても良いのかな。」と思い、それからお世話になること20数年。
(ここだけの話ですが、そう言うエピソードと同じくらい、思わず吹き出しちゃうような話も沢山あります。)
私が卒業した後も、何度か一緒にグループ展を開催したりしてましたが、なにしろお互いが遠い所にいたというのもあり、グループ展をしなくなった後は、たまに電話をしたり手紙を書いたりする程度の時期もしばらくありました。
ところが不思議なご縁で、再び同じ県に住むようになって、また交流が再会し、この3月に伊藤先生が勤めていた秋田大学の退官を期に「じゃあ、久々に一緒に何かやりますか」ということで、開催の運びとなった二人展であります。
同じ秋田県で絵を描いているにも関わらず、たぶん私の知り合いで「伊藤隆」さんの名前を聞いたことのある人はあんまり多くないと思うし、その逆もまた然りで、中には「なんでこの二人が一緒に展覧会をやるんだろうか?」と首を傾げている方も居られると思いますが、実を言えばそんな訳であります。
一時期、縁遠くなったとは言え、その間も同じ団体展に所属したりしていたので、お互いの作品についてはある程度見てきているので、「だいたいこんな感じで来るのかな?」という想像もしつつ、鋭意制作中でありますが、実際どんな作品が出て来るのか、並べたらどんな風に見えるのか、なんて言うのを一番楽しみにしているのは私たち二人なのかもしれません。
伊藤隆 中野修一 2013 絵画展
*会期:2013年10月16日(水)〜20日(日)
11:00~19:00(夏より1時間早く終わります。最終日は17時まで)
*場所 ココラボラトリー/秋田市大町3丁目1-12 川反中央ビル1F
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中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
Shuichi NAKANO official website / English edition
http://nakanoshuichi.com/eng/top01.html
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