北海道は「化石王国」?!その1
正直、大きな稼ぎがある訳でもないのに、こうも毎年北海道までわざわざ家族で帰省している理由の一つが、彼の地が「知られざる化石王国」であり、そのせいでそれにまつわる展示を行う博物館が多いからであります。
「日本で化石発掘」と言えば福井県を筆頭に、熊本県や兵庫県、はたまた福島や岩手が有名だったりしますが、実を言えば北海道も、昔から海生爬虫類やアンモナイト、哺乳類などの化石を非常にたくさん産出している場所であります。
今日紹介するのは北海道の観光地としては超メジャーなかの富良野から車で1時間ちょっとの所にある(旧)穂別町(現在は合併して鵡川町)にあります「むかわ町立穂別博物館」です。
ここも過去に「化石で町おこし」を考えていたような痕跡が町の至る所にある場所で、その痕跡の一つの様にも見える少々古めかしい博物館に一歩脚を踏み込むと、こんなクビナガリュウの化石が私たちを迎えてくれます。
そしてここでのメインは上の写真の「ティロサウルス」と呼ばれる海生爬虫類(ワニに近い?)の化石でして、実際の発掘品のほか、数々のレプリカや復元模型などが多数展示してあります。
ときどきこのての展示品で「なんだ、レプリカか!本物じゃないんだ!!」とガッカリされる方も居られるようですが(私も昔はそうだった)、ちゃんとした博物館の巧みな復元師?の方の手によるものであれば、実物と寸分変わらない精度で作られるそうですから、そう考えればレプリカだからと言ってがっかりするのは筋違いだそうです。
実際、化石によっては実物がこの世で一つしか見つかっていない物もあるし、また全身がきれいに見つかることも稀ですから、どうやったって足りない部分を「復元」しなければ全体を再現できない訳ですし、もっと言えば生前は比較的軽い骨だったものも、化石という「石」に置き換わってしまえば、実物よりもはるかに重くなってしまうのですから、その本物の「石」で10メートル越えの恐竜の骨格標本を再現しようものなら、とてつもない重量を支えるためにとんでもない設備が必要となり、そう考えるとレプリカで展示するしかないなんて事情もあるのです。
ここ丸い石みたいのが「ノジュール」と呼ばれる、中に何らかの化石を含むであろう石であります。
でき方や特徴についての詳細は、間違いがあると行けないので、ここには書きませんが、とりあえずこういった石を見つけて割ることによって比較的簡単に化石をみつけることができるそうですが、手前のようなモノならともかく、奥にある大きなものなどが川の上流などにあったとしても、素人の私には、それがノジュールなんだかただの岩石なのかを判別する自信はありませんね。
北海道の多くの化石がそうであるように、ここでの発掘物のほとんども恐竜というよりは「海生爬虫類」がメインでありましたが、驚くべきことに「ハドロサウルス類」と呼ばれるイグアノドンなんかに近い恐竜の化石が、最近ここ穂別で発見されたらしく(上の写真)、この秋ぐらいから再び大々的に調査が行われるそうで、これから益々盛り上がりそうな雰囲気が漂っていました。
そんな雰囲気をさらに盛り上げてくれそうな巨大遊具の存在に気が付いて、その博物館の近くの公園まで足を伸ばしましたが、残念ながら使用禁止でした。
まあ、それはともかくなかなかに充実した展示内容だった穂別博物館でした。
中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
Shuichi NAKANO official website / English edition
http://nakanoshuichi.com/eng/top01.html
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