今週末ギリギリまでかかるだろうと踏んでいた絵どうろう制作が案外早く終わったので、急きょ予定を前倒しして青森まで出かける事に。
予想通り、遠い道のりではあったけれど、学生時代を弘前で過ごした事もあり、全然知らない町という訳でもないので、同じ遠くても福島などに行くよりは、気持ち的には幾らか楽ではありますが。
一番の目的は美術館だったのですが「せっかく来たのだから」ということで、青森港に展示してあります青函連絡船を観に行きます。
私、そして妻も、今から20数年前の大学生の頃、実家に帰省する際にお世話になった青函航路(ただしこの船に乗船した事があるかどうかは不明)。
もっとも途中からバイクを利用しやすい民間のフェリーに鞍替えしたりもしましたが、トンネルが開通するまでの間は、一番手頃な帰省のための脚でした。
で、そんな当時を懐かしもうと、上の写真のような展示を期待して行ったのですが、その意に反して客室部分のほとんどは、この船が活躍していた昭和の時代の青森の町の様子を、ベタなマネキンなんかを利用して再現するスペースと化していて、すでに「古びた」と言うよりも「古ぼけてきた」展示に、妻と二人、かなりガッカリ。
良くない事は続くもので?操舵室や展望デッキに上がってみると、橋脚が邪魔してせっかくの八甲田山も台無しの風景。
こうなったら諦めムードも頂点に達してしまい、あとは残りをさっさと見て、とっとと帰ろう!な空気になってきます
ところが一般船室の下階にある「しゃりょう甲板」に降りて、この光景を目にした瞬間、一気にヒート・アップ!「メカものオタク」の血が騒ぎ始めます。
今でこそフェリーなんかは自動車を載せる「車両甲板」ですが、むかしはこんな風に貨物列車なんかをそのまま載せられる「車輛甲板」だった訳です。
もともとそれよりもさらに遡る事十数年前、教育TVで見た映像でその事自体は知っていたのですが、実際に列車が乗り降りするシーンを目撃した事も無ければ、関係者以外立ち入る事のできなかったであろうこの空間を目の当たりにする事ももちろん無かったので、これはやはり驚きの光景でありました。
さらにその下のエンジンルームや機関室なんかも見学できます。
やっぱり「萌え」ます。
就航当時を忍ぶ「メモリアル・シップ」としての役目を果たしているこの船も海に浮いている訳ですから、当然老朽化も進んでいるので、いつまでその役目を全うすることができるのかはわかりません。
とりあえず「閉館」と言う話は今のところ聞こえては来ませんが、万が一そうなる前に、一度は目にしておいても決して損のない「展示物」だと思いました。
中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://nakanoshuichi.com/
Shuichi NAKANO official website / English edition
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