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2013年6月の記事

2013年6月29日 (土)

パウル・クレーの詩

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彼の作品って、ある意味、自分からはかなり遠い存在のように感じています。

でも、いつもなんとなく気になる画家。

「クレーの日記」なんて有名な本もあるけれど、これはたぶん「クレーの詩」って言う名の翻訳で出ている本なのかな。

一箱古本市で見つけて、手製本っぽい装丁に一目惚れして購入しちゃいました。

当然、中身はドイツ語の訳で、意味、さっぱり判りません。

でも判らないおかげで、そのアルファベートの並ぶ1ページ全体が、クレーのタブローのように見えるんですよね。



不思議。

 



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2013年6月25日 (火)

雪の結晶を描く

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「雪景色」は確かに好きだけれど、まさかここまで行つくとは自分でも思っていませんでした。

下描きのほぼ90%が定規とコンパスによって描かれる世界。
本来なら手描きよりもCGソフトでも駆使した方が、よっぽど楽に大量に描けるのかな?

描き方は単純だけれど、「世界中探しても二つと同じ形は存在しない!」と言うのであれば、好き勝手に帰るのは良いけれど、逆にそれが面倒だったりもします。

とりあえず、今は西日ガンガンの温室のようなアトリエで、そこまでこれと対峙できるかって言う事。
描いた雪は融けませんが、その前にこちらが暑さで融けそうです。


死ぬまでに、いくつ描けるかな??



 



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2013年6月 9日 (日)

恐竜と探偵?

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解剖台の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい。
と言う文章がありますが、まあ、美しいかどうかは別として、この児童書の「恐竜探偵」というタイトルには、前文の「出会い」と同じくらいの軽い衝撃を受けました。

タイトルだけをみると「遥か中生代から現在まで人知れず生存を続け、頭脳明晰となった恐竜族の若者が、ある時、好奇心で出かけた先で人間に見つかってしまい、そこで偶然殺人事件に出くわし、それを人並みはずれた?嗅覚で見事解決!」とか、想像してしまいそうですが、残念ながらそこまで壮大な話ではありません。
簡単に言ってしまえば、恐竜好きの少年がその好きな恐竜と絡めて、身近に起きた事件を解決するという少年探偵もののお話。

ただし、「児童書」と言って侮るなかれ。なかには相当専門的な話も出て来るので、丁寧に読んで行かないと、大人でも途中で話が分からなくなって来る可能性あります。

タイトルは奇抜ですが、読み物としてはけっこうしっかりできているので、恐竜好きの子はもちろん、推理小説の好きな子でも楽しめるシリーズです。

恐竜探偵フェントン 1〜5
B.B.カルホーン:著/太田大八:訳/千葉茂樹:絵(小峰書店)



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2013年6月 7日 (金)

発掘体験キット

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正直、中身とは余りにもかけ離れたかわいい柄の袋に納められて販売されていた化石発掘体験キット。
化石展示のある博物館や特別展なんかのミュージアムショップなどでもよく見かけるもので、通常はもう少しそれっぽい箱に、発掘用の小道具と共に収まっていたりしますが、こちらはこの石みたいなモノのみが袋に納まっていかにもシンプル。

昨年の夏に出かけた北海道は足寄町の動物化石博物館で購入したものですが、何が魅力かって、それはこの大きさ
通常市販されているキットの石の大きさ「ご飯茶碗」なら、こちらはまさに「どんぶり」サイズ。ひょっとしたらその博物館の職員さんやボランティアさんが作ったのかもしれません。

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基本、最近の図工なんかの教材でも見られる「石彫用模造石」みたいな掘りやすい素材に、本物の化石を入れて固めた石みたいなモノなので、こんな本格的なタガネやハンマーなど使わなくても十分割れるんですが、いつもより大きいのと、「最初の一発目ぐらいはちょっと雰囲気を味わおうか!」と言う事で試しに使ってみます。

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案の定、一、二度叩いた所で、最初の化石が姿を現しました!(全部で3個入り)

こちらはサメの歯の化石

すでに持っているものよりも格段に大きなサイズで、保存状態も良かったのか、刃物としても使えるんじゃないかと思えるくらいカドがとても鋭く、触感が包丁の刃を触っているみたいです。

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次に出てきたのがアンモナイト

こちらも比較的きれいに発掘された化石の様で、渦の中心部まで模様がハッキリ浮き出ています。

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こちらが最後に出てきた三葉虫

サイズだけで言ったら、地方の博物館なら棚に陳列してあってもおかしくない大きさ(長さ8cm程度)で、「眼」みたいな突起まで見えます。ただこちらの方は部分的に柔らかい所もあって、掘り出す時にけっこう難儀しました。


実際に発掘しようと思うと、場所を探して行くだけでもなかなか大変だし、行ったからといって必ずしも見つかる訳ではないので、「こんなお手軽でも良いのか?」と首を傾げる部分もありますが、まあ、ちょっとした体験をするという点では、けっこう掘り応えのあった楽しいキットでした。



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2013年6月 4日 (火)

続・大哺乳類展を観に行く。(書き下ろしイラスト入り)

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テレビの刑事モノのドラマなんかで時々「被害者を割り出すために頭蓋骨を肉付けして、顔を復元する」なんてのを見る事がありますが、要するにそれって頭骨から生前の姿が想像できると言う事が前提にあって、初めて成立する話であります。

実際自分の体を触ってみても、ほとんどの部分で皮膚のすぐ下に骨がある事を確認できる訳で、そんな事実からも漠然と「骨格に肉付けすれば、容易に生前の姿を復元できるだろう」と思い込んでいます。

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この骨格標本を会場で目の当たりした時も、その大きさと長く伸びたキバから、比較的容易にこれが「ゾウの骨格だ!」という事実に行つきます。

ところがここでゾウの身体的特徴にをよく思い出してみて下さい。
 1.耳が大きい。
 2.鼻が長い。

そうやって改めて見てみると、この骨格標本には「長い鼻」も「大きな耳」もありません。
要するに私たちは「想像力」によって、無意識のうちにこの骨格に無い部位までも付け足して見ている訳です。

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逆の理屈で考えれば、こんなウサギの頭骨を見せられても、ウサギの耳が長いという事実も、実際にどれくらいの長さがあったかという事も判りません。
それどころか「ウサギの骨」と言われなければ、なんの骨なのか見当さえつきません。
(それはこの絵の中途半端さとは関係ありません。笑)

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これって、何の頭骨かわかりますか?

先ほどの「皮膚のすぐ下に骨の感触がある」と言う理屈で言うと、ずいぶんんと顔の尖った生き物のような印象ですが...

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正解は「ザトウクジラ」!

なんでもこの頭骨の外側に「音響発生装置(ピンクの部分)」なるものがあるそうです。
(ただそれがどんな事に利用されているかは、まだ諸説わかれるそうですが。)

ただ少なくともこの鋭角な骨格標本からは、この四角い頭を想像するのは、やっぱりちょっと難しいですね。

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2013年6月 3日 (月)

大哺乳類展を観に行く。その1?

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先日、家族で青森まで出かけたのは、この展覧会を観るために青森県立「美術館」に行くのが目的でした。

この展覧会、そのタイトルからも想像できる通り、哺乳類の剥製と骨格標本が所狭しと並んでおりまして、正直、博物館ではなく「美術館」で開催されているという事実に、少し違和感が無い訳ではありません。
(逆の、博物館で「絵画展」なんてのはほとんど聞きませんから)
ただ、郷土資料などの常設展を主とする地方の博物館と、どちらかと言えば「企画展在りき」という考え方の強い美術館とどっちが開催しやすいか?とか、普段あんまり寄り付かない小さな子どもたちなんかにも美術館に来てもらおうなどという思惑とか、そんな諸々の事を考え合わせると、まあ、これはこれで意義のある企画展だと思います。

実際、こうやって哺乳類、しかも標本に絞って展示する事で、今まで動物園などでも漠然としか眺めて来なかった動物たちについて、新たな見方を示唆してくれたと言う点ではとても興味深い展示でした。
そんな展覧会で私なりに気が付いた事を徒然と書いてみます。

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上の2つの写真はいずれも「サル」と言われる動物の骨格で、上の大きいのが「ゴリラ」、下の方の全体に小さくて、目の凹み大きいのが「リスザル」。
どちらの頭骨も違いこそあれ、これと人間の頭蓋骨を並べてみせられて、「人間はサルから進化しました。」と言われれば、なんとなく納得できるような気がします。

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そして上2つの標本の間に置かれていたのが、この骨格。
実を言うとこれも「シロクロエリマキキツネザル」という、やっぱり「サル」なんですが、この引き伸されたような鼻先を見てしまうとウサギかネズミの類いとしか思えません。

同じ「サル」(正確には霊長目)といえども、こんなにも違うんだな、と思わず見入ってしまいました。



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2013年6月 2日 (日)

あの歌が聞こえる、懐かしの航路

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今週末ギリギリまでかかるだろうと踏んでいた絵どうろう制作が案外早く終わったので、急きょ予定を前倒しして青森まで出かける事に。
予想通り、遠い道のりではあったけれど、学生時代を弘前で過ごした事もあり、全然知らない町という訳でもないので、同じ遠くても福島などに行くよりは、気持ち的には幾らか楽ではありますが。

一番の目的は美術館だったのですが「せっかく来たのだから」ということで、青森港に展示してあります青函連絡船を観に行きます。

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私、そして妻も、今から20数年前の大学生の頃、実家に帰省する際にお世話になった青函航路(ただしこの船に乗船した事があるかどうかは不明)。
もっとも途中からバイクを利用しやすい民間のフェリーに鞍替えしたりもしましたが、トンネルが開通するまでの間は、一番手頃な帰省のための脚でした。

で、そんな当時を懐かしもうと、上の写真のような展示を期待して行ったのですが、その意に反して客室部分のほとんどは、この船が活躍していた昭和の時代の青森の町の様子を、ベタなマネキンなんかを利用して再現するスペースと化していて、すでに「古びた」と言うよりも「古ぼけてきた」展示に、妻と二人、かなりガッカリ。

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良くない事は続くもので?操舵室や展望デッキに上がってみると、橋脚が邪魔してせっかくの八甲田山も台無しの風景。
こうなったら諦めムードも頂点に達してしまい、あとは残りをさっさと見て、とっとと帰ろう!な空気になってきます

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ところが一般船室の下階にある「しゃりょう甲板」に降りて、この光景を目にした瞬間、一気にヒート・アップ!「メカものオタク」の血が騒ぎ始めます。

今でこそフェリーなんかは自動車を載せる「車両甲板」ですが、むかしはこんな風に貨物列車なんかをそのまま載せられる「車輛甲板」だった訳です。
もともとそれよりもさらに遡る事十数年前、教育TVで見た映像でその事自体は知っていたのですが、実際に列車が乗り降りするシーンを目撃した事も無ければ、関係者以外立ち入る事のできなかったであろうこの空間を目の当たりにする事ももちろん無かったので、これはやはり驚きの光景でありました。

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さらにその下のエンジンルームや機関室なんかも見学できます。
やっぱり「萌え」ます。

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就航当時を忍ぶ「メモリアル・シップ」としての役目を果たしているこの船も海に浮いている訳ですから、当然老朽化も進んでいるので、いつまでその役目を全うすることができるのかはわかりません。
とりあえず「閉館」と言う話は今のところ聞こえては来ませんが、万が一そうなる前に、一度は目にしておいても決して損のない「展示物」だと思いました。



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