「お蔵入り」じゃないけれど。
個展、グループ展を問わず、会場までは持って行ったけれど、結局展示しなかったという作品があります。
会場まで持って行くんだから中途半端な作品ではもちろんないし、ギリギリまで展示する気ではいるんだけれど、いざ並べてみると、全体の中でちょっと浮いた存在に見えたり、単純に数が多過ぎたりなど、理由は様々ですが時々そんな風に展示されない作品が出てきます。
今回のグループ展でも、ザ〜っとみんなの作品を並べてみて、「ちょっと多いかな?」と思ったので、早々と上の作品を展示しない事に決めました。
無理して詰め込めば並ぶ程度のサイズではありますが、そうして全体が観辛くなるのもどうかと思ったし、そこまでしても並べたいか?というとやっぱり疑問符の作品でした。
で、飾らなかった最大の理由は、私の作品も含め全体を見回した時、この展覧会の共通項の一つに「モチーフの無名性」があるような気がしたからです。
それぞれに撮影した場所とかモチーフにした場所は現実にある訳ですが、それがはっきりと特定できない所が、今回の展示のおもしろさの一つなのかな?と思った瞬間(北海道の)羊蹄山という特定な場所を描いたこの作品だけは「なんか違うかな」という違和感を感じてしまい、今回は早々に退去していただいた訳です。
「じゃあ、小安峡を描いた小品はどうなんだ?」という声も聞こえてきそうですが、それは「湯沢つながり」という事で、自分的にはかろうじてOKが出たのかな?と思います。
そんな訳で、この作品の実物こそ展示しませんでしたが、また別の機会に展示するかもしれませんし、そうじゃなくても、少なくともネットを通じてならたくさんの方の目に触れる事はできます。
そう考えると便利な時代なのかもしれません。
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