ワイエス展。そして深く刻み込まれたメッセージ。
先週の土曜日「忙しい、忙しい」と言いつつも、わざわざ仙台まで出かけ「アンドリュー・ワイエス展」を家族で見に行きました。
学生の頃から数えて、もう6回近くも彼の作品を見に行っており、おまけに日本での展覧会をサポートする美術館がほとんど同じでラインナップも似たり寄ったりなので、わざわざ無理して行かなくても良いだろう...とも思うのですが、やっぱり近くでやっていると思うと行かずにはいられない。
それくらい好きな作家なんだと思います。
特にこのチラシの作品は全財産と引き換えにしてでも貰い受けたいぐらい好きな一点です。
(というほどの財産は無いのですが...)
ただ、今日のお話はワイエスの話ではなく、絵の写真に写っている湯呑みの話。
訪れた日が初日という事もあり、おまけに開館直前に到着したという事もあって、TVクルーなども押し掛けていて、ちょっといつもの展覧会とは雰囲気が違います。
階段を上って2階の会場入口まで行くと、百貨店のオープン時よろしく、館員さん方などが、並んでお出迎え。
そしてその中の、少しご年配の男性の方が、「こちらをどうぞ」と言って、入館者全員(うちの子どもも含む)に何やら青い紙袋を渡してくれました。
正直、手荷物をブラブラさせながら鑑賞するのはあんまり好きじゃないんですが、何しろこんな経験初めてですから、ありがたく頂戴致しました。
鑑賞終了後、車に戻って中を見てみると、写真のようなこんな湯呑みが入って居ました。
同封してあった説明書きによりますと、この展覧会に多くの作品を貸し出している先の「丸沼芸術の森」の代表の方が制作した物でして、1000個を来場記念として配るという事でした。
(今にして思えば、その日は制作者である代表の方の講演会もあったので、配っていたのはその等のご本人だったのかもしれません。)
実を言えばこの「ワイエス展」、本来なら昨年行われるはずでしたが、震災により中止になってしまったものを今年改めて開催。
ハッキリとは判りませんが、たぶん復興支援も兼ねたこの展覧会の開催に関わって件の丸沼芸術の森の協力もあったのではないかと想像します。
で、その仕上げとして配られたのがこの湯呑みでして、なんと丁寧な事に子ども用の小さなものまで用意されたいました。
展覧会の本筋とはあまり関係のない物ではありますが、「できなかった展覧会を何とか開催したい!」という強い意気込みとともに、ひょっとしたら、震災にも負けないぞ!というメッセージが、この「絆」という文字とともに深く刻み込まれたような、なんとも重みのある逸品でした。
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