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2012年5月18日 (金)

鳥海山/春スキー

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もっと早く行こうと思っていたのですが、気が付けばもうすぐ6月の声も聞こえてきそうな昨日、ようやく鳥海山に春スキーに行く事ができました。

ず〜っと行けなかった最大の理由は天気。
G.W.前半の好天以来、なかなかスッキリと晴れる日が無く、どうしようかと迷いながら週間天気予報とにらめっこしてましたが、幸いこの日は朝から晴れて山の姿をしっかりと拝む事ができました。


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祓川ヒュッテまでの道中、所々にまだこんな雪の壁が残ってましたが、基本的には夏タイヤで問題なしの狭道をひた走ると...

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こうやって雪があると夏場よりも登攀ルートが読みやすく、夏場では到底渡れないようなところでも積雪のおかげであることができるので自由度も高くなります。
もっとも「イコール危険度も増す」という事かもしれませんので、あくまでもここは慎重に。

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登り始めて一時間ほどで最初の難関に出あいます。位置的には「御田」の辺りからの急登です。

難関と言っても、ようするにただの急な上り坂でたいした技術はなくとも、労を惜しまなければ登れるという場所ですが、遠目には絶壁にも見えるような斜面に、ちょっと気持ちも引き気味。
実際、シール付きのスキーで登る方の中にはここを迂回して、もう少し緩やかな斜面の方から登っている人もいるようです。

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装備としては、スキーも登攀用のものでシールも持ってはいるんですが、筋肉痛で二進も三進もいかなくなった前回の教訓で「足だけに負担をかけない」ということで、登りはできるだけスキーを担いで登ることにしました。
実際、スキーを履いて登ると、その負担の全てが足だけにかかってしまい、結果足の筋肉を痛めるのが早くなるので、日頃の鍛錬の足りない私は、帰りのスキーを楽しむためにもできるだけ足の筋力を温存するためにこの作戦に出ます。

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所々でこんな亀裂を横目で見ながらやり過ごします。
今すぐ雪崩に直結すると言った心配は無さそうですが、やっぱり見ていて気持ちの良いものではありません。
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「七ツ釜避難小屋」まで来ました。無駄な蛇行がない分、夏よりも早いかと思いましたが、時間的にはさほど変わりません。
ちなみに前回はここでリタイヤ。
したがってここからは未体験ゾーン。

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途中、ドリルで穴をあけながら、目印の杭を打ち直しながら下山して来るパトロールさんに遭遇。
こんな方たちの努力のおかげで、私たちも安心して山にはいる事ができます。感謝!!

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帰り道にはこんなパトロールさんにも出会いました。

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とか思っているうちに何やら怪しい白い影が、時々山の姿を覆うように伸びてきて..

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みるみる視界が悪くなってきます。

位置的にはあと一時間ぐらいで頂上まで行けそうな感じですが、無理して足を痛めた場合、降りるのにどんだけ時間がかかる読めなくなるし、細いポール以外、目印の無い真っ白な雪原広がる山中ではホワイトアウトして帰り道を見失う可能性も高そうです。
おまけに視界が悪くなればさっきみたいな亀裂にはまってしまう恐れも出て来るので、意を決して今日はここで下山する事に。

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軽い食事も済ませ、下山の準備を進めている間にも、ガスはいよいよ濃くなってきます。
ちょっと風が吹けば消えてしまいそうな感じもするのですが、不思議な事にガスの発生とともに、時より帽子も吹き飛ばすんじゃないかというほど強く吹いていた風も、いつの間にかぴたりと止んでいます。

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「鳥海山の下山」と言えば、いつも痛む足を騙しつつの地獄絵図ですが、スキーでは下山はそれとは雲泥の差の、快適で楽しいひと時です。
ただ想像以上に負荷がかかるので休み休みの滑降です。
ただこういう一人山行きは、写真を撮ってくれる人が居ないので、私の勇姿?を皆さまにお見せできないのが残念です...というのは冗談ですが、やっぱりスキーをしてる写真が一枚もないのは寂しいものです。
ただこればっかりは通りすがりの人にシャッターを切ってもらうという訳には行きませんから。
(シュチュエーションを想像するとその困難さが判ると思います。笑)

ところがいざ滑り始めると、ツアーとおぼしき団体さんも登ってきておられて、彼らにはきっとその道のプロが同行している訳で、そう考えるとちょっと決断が早過ぎたかな?とか後悔してみたり。
この辺りまで降りてきてみると視界も開けてきたし。

なんて後ろ髪を惹かれながらも滑り降りていると、私の20メートルほど前を颯爽と滑り降りている方が、突然視界から消えます!!

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最初は緩斜面から急斜面へと滑り降りて、見えなくなっただけかと思って近づいてみると、何と!こんな雪の割れ目にハマって転倒していました。

幸いケガも無く、割れ目にささり込んだ片方のスキーが引っかかって抜けなくなっただけでした。
そのスキーを抜くのを手伝っていたのですが、その割れ目(雪で塞がっている)に手を突っ込みながら、これが氷河にできてクレパスみたいなら...とか考えたら、ちょっと背中に寒いモノを感じました。

再び下山を始めて間もなく、今度は雨が降り始め、おまけに雷鳴も聞こえてきます。

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途中下山という事で後悔もありましたが、結果としては、たいした濡れずにもすんだし雷に襲われる事も無く、無事下山する事ができて良かったかな....
と思ったら、登攀前にそこの駐車場のトイレに財布入りのカバンを忘れて、紛失してしまう、というオチがついちゃいました。

幸い拾った方から連絡があり、後日無事に手元に戻りましたが、思わぬ所でもちょっとヒヤッとさせられた、山行きでした。

拾って届けてくれたみなさん、
本当にありがとうございました。




中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
  http://nakanoshuichi.com/

Shuichi NAKANO official website / English edition
  http://nakanoshuichi.com/eng/top01.html


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