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2011年10月16日 (日)

ささやくように...

11101601
マチエールなんて、所詮は作品を構成するほんの一部でしかない訳だから、それだけでどうこう語る筋合いのモノではないような気がする。
実際、マチエールになんか全然こだわっていなくても、良い作品はあるんだから...

この作品にしたって、描いてあるのは一本の樹と地面だけな訳で、それだけ聞くと他愛もない、何の変哲もない作品。

でも、というか「だから」なのか、背景となる空間のマチエールには妙にこだわって手を入れている。

墨汁を塗ったり、木炭の粉で描いたり、クレヨンでこすったり...

やった事ない事ばかりしているので、その後の仕上がりも予想ができず、その度に一喜一憂している。

行き先も判らない電車に飛び乗って、途中の駅で闇雲に乗り換え、突き進んでいる感じ。

始めから目的地なんか無いのだから、何処で降りれば良いかも全然判らない。

前進しているのか、それとも後退しているのか...。


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世の中には「声の大きな」作品が多くなってきている。
それらは世の中の多くの人々に、メッセージを飛ばし、感動や喜びを与え、または突き放したり悩ませたりし、時には敵意さえ芽生えさせる。

同時に小さな声で「ささやく」ような作品も、この世界にたくさん存在する。
それは本当に小さな声だけれども、染み渡るように少しずつ、人から人へとジワジワと広がって行く

どっちが良いとか悪いとかじゃなく、どっちかが正しくて、どっちかが間違っているとかそんな話じゃなくて、

ただそんな気がするというだけのこと。

作品の「声の大小」
と、主張やメッセージがあるかないかは、また別の問題と思う今日この頃。



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/

Shuichi NAKANO official website / English edition
http://homepage.mac.com/sekainokakera/eng/top01.html


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