「想い」が伝わる図書館
場所は道東は置戸町。
人口4000人にも満たない、小さく、正直あまり目立たない町ですが、期せずして「秋田魁新報」に、この町と秋田県との不思議な関係を取り上げた記事が連載されていたりして、秋田県内でも多くの人がその名前を知る事となった町にある図書館であります。
表看板には「生涯学習センター」と銘打ってはありますが、実質その床面積のほとんどが図書館に当てられています。
大きさ的には「中規模」程度の図書館ではありますが、我が湯沢『市』のそれと比べても『町立』の図書館としては充分な大きさと言えるのではないでしょうか。
入るとすぐに定期刊行物(月刊誌や新聞)のコーナーがあるのですが、その棚の右側に目をやると、暖炉の置かれたこんな素敵な閲覧スペースがあって、こんな所で絵本の読み聞かせを聞いたり、一人座り込んで読書ができたら良いなぁ、なんて思ってしまう贅沢な空間です。
こんな案内表示から始まり、左手に目をやるとそこには...
貸出しなどを行うカウンター。
もちろん司書さんも常駐しています。
まあ、この辺は普通の図書館に、普通にあるものですが。
書架も建物の内装にあったタイプ選んできているようで、所々にこんなちょっとした棚が着いてたりもします。
木目調の内装は塗装など色によっては、建物内が暗くなる事があるのですが、書架ごとにこんな照明もついているので、気になりません。
貸出しカウンターと並んで書庫があるのですが、ガラス張りになっていて、こんな風に書庫内の様子も見る事ができます。
「だからどうした?」と言われれば、全く無くても良い窓かもしれませんが、本好きな人をたまらなくさせる工夫なんじゃないでしょうか。
一方、貸出しカウンターの向かい側、前述の巻きストーブの並びには、閲覧スペースが三室ほどあり、最初が乳幼児向けの本を中心とした、小上がり風。
次は小学校低学年ぐらいまでが使いやすそうな小振りのテーブルやイスを置いたスペースで...
その次はバーカウンター風の閲覧スペース。
思わずウイスキーでも持ち込んで、読書に耽ってしまいそうですが、もちろん図書館内は飲食禁止です。
これが最後のスペース。一番普通っぽいです。
一番奥から眺めるとこんな感じです。
こうやって見ると、空間としてしっかりと仕切られた読書スペース自体は決して多くはありませんが、所々に何気なく置かれたイスをみつけ、そこに腰掛けて読む、と言う使い方をすれば、少なさもあまり気になりません。
ただ調べモノなどをする為のテーブルなどは、もう少しあっても良いのかな??
実を言うと、この図書館で私が一番感動したのがこれ!!
入口からもっとも奥にあるガラス張りの壁の向こうには...
な、なんと図書館車が!!!
この工夫は私はもちろん、車好きの子どもたちにとっては、たまらない仕掛けでは無いでしょうか?!
もちろんこんな風に開いてますから、こちらの本も貸し出し可能です。
いや〜、まいった、まいった。
で、よく見ると、館内のあちこちに「これは既製品じゃないぞ!」と思わせる木工製品の数々。
そこで館内掲示板を見てみると...
置戸町はもともと「木工製品で町おこし」を手掛けてきた所でありますので、こんな所にも「地産地消」が実践されている訳です。
まあ、実際に話を伺うと、せっかくの立派な建物も、思った以上に利用者が伸びずちょっと残念だと言う話です。
そのせいか近隣の町の人でも手続きさえすれば、本を借りる事ができるそうな。
こんな風にしたら楽しいのにな!!
そんな様々な想いがにじみ出て来るような図書館。
細部を見れば色々問題もあるのかもしれませんが、全体の雰囲気としては、思わず通ってしまいたくなるようなステキな図書館でした。
お近くにお住まいの方はもちろん、旅行で近くを通りかかった方も、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
置戸町生涯学習情報センターの公式サイトはこちら→(Click)
http://homepage.mac.com/sekainokakera/
http://homepage.mac.com/sekainokakera/eng/top01.html
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