夜の散歩
久々の夜の散歩。
それもかなり長距離。
ひょっとしたら、平地を長時間歩くのは、高校生の時の強行遠足以来?
事の発端は、最終電車の乗り違え。
秋田での酒宴を終え、ほろ酔い気分で駅に到着し、番線を確認し、電車に乗ったつもりが、発車した直後の車内アナウンスで、行き先が違う事が即判明。
次の駅で即降車したまでは良かったのですが、ここからが酔っぱらいの行動。
すぐにタクシーを捕まえて、正しい次の駅に向えばたぶんギリギリで、最終電車に間に合ったはずなのに、その判断ができない。
ぼんやりとした意識の元で「タクシーを捕まえなきゃ!」とは思っているのだが、今度はタクシーがなかなか捕まえられない。
そうして気が付けば、もう取り返しのつかない時間になっておりました。
懐具合の寂しさと、ヤケクソ、あほらしさ、バカバカしさも加わって、おまけに星も見えていて、しばらく雪も降りそうにないと判断し、ここで英断!
明日の始発まで、歩けるとこまで歩こうじゃないか!!
このとき時刻はすでに夜11時。
今から歩けば8時間後にはどこかの駅から電車に乗れる。
8時間の歩行なら鳥海山の往復と変わりないじゃないか。
この辺からは完全に酔っぱらいの思考のようにも思えますが、ここまでですでに30分を歩いてきて、良いは完全に醒めております。
(できる事ならもっと早く醒めて欲しかったが)
という事でひたすら国道13号線を湯沢に向けてひたすら歩く事になりました。
いざ歩き始めてわかる事は、車でならあっという間の距離が、如何に長い距離だったかという事。
「今、イオンの側を通ったから、高速の入口まではもうすぐだな」
と思っていても、「もうすぐ」が全然やって来ない。
スゴく歩いたつもりで、目についた看板を見てみると、自分がまだ2キロくらいしか歩いていない事に軽いショックを受けたり。
気が付けば、氷点下8度の表示。
ただ、不思議な物で寒さは全然気になりません。
汗をかきそうな上り坂では少しゆっくり、体が冷えてきたら少し早足りなど、適度に体温を保ちつつ歩いていたのと、たまたま着ていた即乾下着のおかげでしょうか。
むしろ快適に歩いていたと言うのが本音でしょうか?
深夜も2時を回って来るとさすがに通る車も少なくなってきます。
一応、時々ヒッチハイクみたいに指を立てても見ますが、こんな氷点下の冬空のしかも山道の中を一人歩いている怪しい人影に関わろうと思う人はやはりいないみたいです。
立場が逆なら、私だって絶対止まらないと思います。
4時を過ぎたくらいの所で、今度は天気が荒れ模様。
今回着ていたコート、防寒、防水という点では完璧でしたが、フードがなく、帽子もないので、この時点での降雪はちょっとダメージが大きいです。
おまけにこの頃から、足を中心に体のあちこちが痛んできて、歩くこと自体が辛くなってきて、時折弱音も吐くような状況。
その時、国道のすぐそばを走る電車の音が聞こえてきて、そろそろ歩くの止めようかと決断します。
手前の峰吉川の駅を過ぎてから、だいぶん歩いてきた事を考えると、そろそろ次の駅がある頃だろうと踏んで、それらしき建物はないかと道路の右側の方を注視しながら歩き続けます。
奇妙な物で、こんな田舎道にと思うような所でも案外しっかりと歩道まで除雪されているのは良いのですが、雪の壁が高くて、向こう側がよく見えない。
オマケに近年の国道のバイパス化で、国道自体町の中心地を通っていない事が多く、駅の場所はおろか、町の中心地さえ見つけられない。
もともと小さな駅ばかりですから「◯◯駅→」なんて看板もなく、例えあったとしてもこの大雪では雪の中に埋っている可能性大。
それでも通りすがりの十字路から遠くに見えるは、町の(影)サイズとは妙に不釣り合いに立派な信号の光。
ひょっとしたら、あの辺りに駅があるかも
ひたすら祈るような気持ちでそちらに向って脇道を歩いて行くと....
刈和野駅に到着
朝の5時半と、始発が出るにはまだ少々早い時間でしたが、駅舎にはすでに除雪や掃除をする人が来ていて、中に入る事ができました。
すえたタバコの匂いが残るホーム上の待合室に座り込み、コートやズボン、そして髪の毛やヒゲに凍り付いた雪を払いながら、こんな薄い屋根と壁でもある事の喜びを実感しながら、始発の電車が来るのをじっと待っていました。
歩いた距離:およそ35キロ
所要時間:約7時間(23:30頃から翌朝5:30頃)
最後に地図も乗っけときます。
バカなヤツだと笑ってやって下さい。
より大きな地図で 7時間歩きました を表示
*良い子の皆さんは少なくともこの時期にはマネしないで下さい。
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