絵から生まれる物語
で、あわよくば「◯◯絵本大賞展」とかで入賞して、出版して、印税で...なんて夢を性懲りもなく描いていた訳ですが(笑)。
しかし、と言うべきか「もちろん」なのかはともかく、どうやっても上手く行きません。
面白い絵が描けません。
その原因も分かりません。
ただ、文章を説明するだけの絵しかできなくて、なんかこじんまりとしている。
動機が不純なせいなのかな?なんて考えつつ、それでもしばらくは格闘してみましたが、結局その時はあきらめてしまいました。
で、最近はこんなのを大量生産しています。
今回は「売るものがない」ということで、相変わらず下世話で、動機は不純なままですが...。
でも、今回はちょっと違います。
まっさらな水彩紙を眺めていると、自然に「絵の骨格」みたいなものが見えてきて、私はそれをなぞるように鉛筆や筆を動かして行きます。
そんな風にしていると、ディテテールがだんだんはっきりと見えてきて、私はそれが見えなくなる前に、必死に追いかけるように、さらに道具を走らせます。
するといつしか完成します。
「自分で考えて描いている」というよりは「描くべき道を絵が示してくれている」と言った感覚です。
そして私は気が付きます。
絵が自ら物語を語り出している事に。
私が物語から引っぱり出そうとしたイメージは、結局はその言葉にがんじがらめに縛られて、醜く歪んでいたのかもしれません。
そして今ではもう絵を作る為のストーリーなど無くても大丈夫なのかも知れません。
私はただ、絵から聞こえてくる小さな物語にそっと耳を澄まして(あるいは目を向けて)、それを静かに聞けば良いのかもしれません。
なーんちゃって。
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html
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