色々と思うこと
こんな風に写真と並べてみると、それはそれでまた、色々と気が付く事がある。
例えば「細部」
当たり前の事のように聞こえるかもしれないけれど、「細部」の細かに関してはやっぱり写真には敵わないのかな。
もちろんずっと昔のカラヴァジオや「花の」ブリューゲルに始まり、最近のワイエスなんかもそうかも知れないけれど、彼らの作品の様に写真と比べても遜色のない細部を描き出した作品だって沢山あるのだけれど、それはそれで、自分が向かう方向とはちょっと違うし、ハイパーリアリズムなんてのに至っては「そこまで描くなら写真で良いんじゃない!?」と突っ込みたくなる。
で、ふと気が付く...
写真にしても絵にしても「細部」が問題ではないのだ、という事に...。
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「動物と都市」シリーズだって、いまのCG技術を使えば、写真で合成した方が、よりリアルだし、いざとなれば動画だって作れるはずだと思う。
「じゃあ、なんで描いてるの?」
と言う質問が出て来る訳で、これに正確に答えるのは難しい...というかたぶん正解なんかないんじゃないかと思う。
でも、あえて一つ答えがあるとしたら、それは
「自分の見たい風景を描いている。」 という事。
「それじゃ、現実世界を旅して、その風景を捜せば良いじゃないか!」という事になるのだが、なかなかそんな物には巡り会わない。その時はそう思って、夢中にシャッターを切っていても、後で見返してみると何となく違和感があったりする。
そもそも「私の見たい風景」とは私の頭の中にしか存在せず、それは取り出しにくいどこかに閉じ込められていて、そこから漏れ出して来る光や匂いを感じながら、その残像みたいなものをひたすら追いかけているだけなのかもしれない。
そしてその風景は、結してはっきりと見る事ができないのだと思う。
それは常に降る雪、舞う雪に隠されているのだから...。
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