西脇市の個展/作品解説「冬の記憶」
冬の記憶/F20号(61×73cm)/2006年作/320,000円
市販のキャンバスに油彩で描いた作品。
ここもやっぱり実家から二時間ほど走った所にあるサロマ湖の近所を車で走っていた時に見つけた場所。
見ての通り凍った川がモチーフで、この「痕跡」みたいな感じに惹かれて、描いてみた一枚です。
ずいぶん細かく描いているようにも見えますが、例えば川の真ん中の枯れ草なんか、ほぼ刷毛目だけで出来上がっていたりなど、空以外はほとんど悩まず、何気なく手を動かしていたら完成してしまった、と言うのが本音。
ちなみにこの絵では失敗してますが、この頃から少しずつ、人に見せて恥ずかしくない程度に空が描けるようになってきました。
今でこそ「風景画家」を自認しているような顔をしてますが、実を言えば、この頃までなかなか満足いく「空」の表情を描く事ができず、そんなせいもあって、当時はまだ自分の事を「風景画家」なんて胸を張って言う事ができませんでした。
もちろん今だってそう名乗るには、まだまだ幾つもの問題を抱えていますが。
私が幼少時代を過ごした北海道では、冬になるとけっこう大きな川でも氷を貼ったりします。
「入っちゃいけない!」と言われながらも、通学途中にある凍った池に入って、その氷の上を長靴で滑りながら遊んでいたもんです。
水を撒くだけで手軽にできてしまうので、どこの小学校にもスケートリンクがありましたが、何故か、その近所の学校で、授業でスケートやる所はほとんどありませんでしたが。
そんな理由でこの辺りでは「屋内スケートリンク」なんて発想が起こる訳もなく、そのおかげで年間を通じてこの時期にしかスケートができないため、逆にスケート人口も少なければ、上手な人が育ちにくい環境だったりもするのです。
話があっちこっちとそれてしまい、気が付けば作品の事には、あまり触れていないようです。
まあ、そんなクドい解説を聞くよりも、この作品の前に静かに立って、この場所の凍てつくような寒さを想像しながら、眺めてくれたら良いのかな、なんて思ってしまう作品でした。
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