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2010年6月20日 (日)

西脇市の個展/作品解説「休日の過ごし方」

10062001
休日の過ごし方/F30号(73×91cm)/2009年作/480,000円

市販のキャンバスに油彩で描いた作品。

この樹は3年ぐらい前の国営放送で放映された朝の連続ドラマにも時々出てきて、それ以来すっかり有名になった岩手県は小岩井農場にある一本桜の樹であります。
あんまり有名過ぎて、開花の季節になると早朝からカメラの放列が途切れることなく、あげく、そのカメラマンの姿を撮影した写真までネット上を駆け巡ったりと、すっかり慌ただしくなった桜の樹。

ちょっとひねくれ者の私はわざわざ花の咲いていない時期に出かけて行ってその姿をカメラに収めました。
(そう言えばずっと前に京都の円山公園の桜の銘木の葉桜の様子を描いたこともありましたっけ。)

こんな他愛ない私の絵からでもわかる通り、例え花をつけておらずとも「銘木」と呼ばれるにふさわしい姿をしておりました。
また背景の山並みも美しく、薄曇りの中、徐々に傾いていく日の光を気にすることもなく、時間が過ぎるのも忘れて眺めていました。

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この作品、技術的には、特に真新しいことをやっている訳ではないのですが、これも以前紹介した「雪の影」と同じく、先に樹の方を描いてから、その枝の間に見える空を塗りつぶしていること。
さすがにこのぐらい細かくなると、そんな種明かしをされた人の多くは驚いて帰っていきます。

自分でも空の方から描いた方が、はるかに楽なのはわかっているのですが、こうやってあえて逆に描いた方が、結果的には緊張感のある作品が出来上がるようです。

で、この作品、どんよりとしていて、救いが無いくらいパッとしない絵なんですが、予想に反して「これ、良いですね。」と声をかけてくる人の多かった作品でした。

そして何より、自分でも秘かに気に入っていた作品の一つでもありました。



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html

「世界ノカケラ 第二章」/このグループ展の情報はこちらから
http://www.sekainokakera.com


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