西脇市の個展/作品解説「行く風と戯れて」
行く風と戯れて/S4号(34×34cm)/2009年作/64,000円
珍しくスクウェア型の木枠を使用。後は変わらず市販のキャンバスに油彩。
北海道で田舎道を車で走っていると、時々定規で引いたような直線道路に出会います。
地図なんかで捜すだけでも、いかにも定規で引いたような直線の道路が見つかる訳ですが、実際行ってみると、土地の起伏などがあって、地図通りの直線に見えない事もあったりもしますが。
たぶん何も無い原野に道路を建設する際、「真っすぐが最短距離やろ」とか言いながら、図面を敷いたんじゃないかと勝手に想像しますが、この手の道路はあんまり長過ぎると、途中で眠くなってかえって運転しづらかったりします。
このモチーフの道路は道東にある実家のすぐ近くの玉葱かジャガイモか、又はビートか何かの畑の真ん中でみつけました。ちょうど抱き枕を伏せたみたいな小高い丘の上の真ん中を走る道路です。
ちなみにこれにクロスするように走る道路もやっぱり真っすぐです。興味のある方はGoogleマップで「ホクレン 北見工場」で検索してみて下さい。
何しろ、ろくな遮蔽物もない小高い丘の上ですから、けっこう風も強く、凍ったアスファルトの上に落ちた粉雪は、いつまでも融ける事もなく、こぼれた砂粒が風の跡をなぞるように、その形を変えながら、路上に白い模様を描いています。
車のエンジンを切って、こんな所にずっと立っていても、聞こえてくるのは、ただ風の音と「サラサラ」という雪が何かにこすれる音だけ。
青空に浮かぶ太陽から届くのはただ光のみで、その暖かさは途中で何かに奪われてしまったようで、雪は一向に融ける気配さえありません。
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