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2010年6月 9日 (水)

西脇市の個展/作品解説「待合室」

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待合室/F8号(38×46cm)/2000年作/128,000円

私の作品のほとんどがそうであるように、これもまた市販のキャンバスに描かれた油彩画であります。

モチーフは道北、稚内から国道40号線を南下した途中で見つけた風景です。
一昔前なら、北海道のどこででも見られ、酪農のシンボルでもあったサイロ。
もともと牛などの家畜が食べる干し草(正確にはサイレージ?)を製造・保存する為の施設でしたが、最近は放牧地帯でよく見かける、直径2mほどのマシュマロみたいな「ロールベールラップサイロ」と呼ばれるモノにその機能を取って代わられ、どんどんその姿を消していきます。
その打ち捨てられた姿が、高齢化に過疎化、後継者や嫁不足など、衰退する酪農業のイメージと重なってしまいがちなサイロの残骸。

しかしながら幼少期を牧場に囲まれて過ごした私にとっては、むしろ遥か昔に過ぎ去った懐かしい記憶を呼び覚ます鍵のような存在で、そこに行ってそっと中をのぞいてみたら、一緒に遊んだ仲間たちが、昔のままの姿でそこに居るような気がするのです。



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html


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