西脇市の個展/作品解説「雪の融ける音」
雪の融ける音/F20号(61×73cm)/2009年作/320,000円
市販のキャンバスに油彩で描いた作品。
これなんかも以前お話した赤褐色の上にウルトラマリンブルーで透層を施した有色下地の上に描いています。
昨年、別の絵とセットにして、公募展に出したら、そのもう一点の方が入選して、こちらは落選。
自分的にはこちらの方がはるかに良い出来だと思っていたので、その結果にしばし唖然。
「作者の想い」と「見る側の好み」の違いみたいなものをまざまざと見せつけられた作品でもあります。
ちなみに入選した方の作品は、後日、裏キャンとして利用されたので、もう日の目を見ることは、たぶんありません。
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このモチーフは秋田県南の県道287号線沿いにある若林温泉のそばで撮影された物です。
県道とは言っても、細い道のうえに、路肩には雪がうずたかく積もっていて「対向車が来たらどうしよう...」てな感じのところでした。
この頃はまだ、大事な写真はフィルムカメラで撮っていたのですが、後日現像された写真を見てビックリ。
今まで目にしたことの無いような質感の雪景色が何枚も写っていて「これが東北の雪なのか...?」と考えることしばしでした。
ちなみにこの風景を見つけたのが、秋田に移り住んだ最初の年で「せっかく雪国に来たんだから、どうしても雪景色が描きたい!!」という事で、あちこち風景を捜し回っていた時でした。
そんな折、時々家族を伴って、宛ても無く、ただ地図を眺めながらあちこち走り回って、迷い込むみたいにこんな所にばかり連れて来られるだけですから、子どもや妻にとっては別に楽しくもなければ、美味しい物が食べれる訳でもなく、最後には痺れを切らした子どもが大騒ぎしたり...。
そんなことが何度か続くうちに、誰も一緒に行きたいとは言わなくなりましたが、そうなると逆に「家族でドライブ」と言う名目が立たなくなり、キーを片手に出て行こうとする私への風当たりは、冬の寒空の下よりも家の中の方が、はるかに冷たく厳しくなってきました。
まあ、仕事なんだか遊びにいってるんだか、わからないような感じですから仕方がないのかもしれませんが。
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