« こんな作品も作ってます。 | トップページ | 今日から大名行列 »

2009年8月21日 (金)

今でも覚えている光景

09082101

もうその光景を目にしてから30年近くが経っています。
それも車窓から間近に見えた一瞬の風景でしかないので、所詮はただの残像でしかなく、この30年の間に知らず知らずのうちに、自分の頭の中で都合良く加工されているのかもしれない光景。

今日の話はそんな話...。

場所は東京。
中学2年生から3年生になる間の短い春休みに、家族4人で東京観光に行きました。
大都会と言えば、札幌しか知らない私にとっては、都電に乗ったり地下鉄に乗ったりしながら移動しなければ、どこにも行けないこの都市の大きさ、そしてホコ天の銀座の賑わいはまさに『想像を絶する』物でした。と言うかかえって大き過ぎて、想像はおろか、正確な所を実感する事すらできなかったんじゃないかと思います。
そういえば本物のパンダを見たのもこのときが初めてなんじゃないのかな?

そんな驚きと感動を胸にそろそろ岐路へつく頃となり、羽田空港に向かうモノレールへ乗り込みます。
予算の関係で、行きは鉄路と青函連絡船を乗り継ぎ、船酔いと電車酔いと格闘しながら、ほぼ24時間かけてここまで来た身にとっては、「帰りはジャンボジェット」という、これまた生まれて初めての経験を前に、心の高揚は最高潮に達しようとしていたと思います。

そんな高揚感を胸にモノレールの車窓から、まるで見納めでもあるかのように、どこまでも続く東京の街並を眺めていたときの事。

ふと、目の前の光景が目に止まります。
廃墟にしか見えない雑居ビルの屋上。
ペンキがほとんど剥がれ、所々ひび割れたり、黒く汚れた剥き出しのコンクリート。
その屋上の片隅ではためく、真っ白な洗いざらしのシーツ。

今そこに、人の住んでいる痕跡

どう見たって、人が住んでいるとは思えない様な所で感じた、生活の匂い。

今まで見てきた華やかさとは、裏腹な、物悲しささえ感じる光景。

通り過ぎたほんの一瞬に見ただけの光景なのに、この旅行で見たどんなものよりも、鮮烈に、脳の中に焼き付いてしまいました。

09082102



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html






|

« こんな作品も作ってます。 | トップページ | 今日から大名行列 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« こんな作品も作ってます。 | トップページ | 今日から大名行列 »