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2009年6月20日 (土)

「世界ノカケラ」を眺めるー総括、その3

09062001

総括もそろそろ最後、今回は自分の作品を語る事について。

絵描きが自作について、だらだらと書く事自体、あまり健全ではない様な気もするのです。
善くも悪くも、作品に描かれている事が全てである、と考えているので、あまり色々な事を喋りたくない気もします。

「その場で描くんですか?」
「日数はどれくらいかかるんですか?」
「これはどこですか?」
「黒い絵の具は使うんですか?」などなど。

実際,お話ししているうちに、
「話しかけようかどうか、ずっと迷っていた」
「話しかけるのに凄く勇気がいる」

という方が結構いらっしゃる事もわかり、何となく納得もします。

中には「話始めると、何か買わないと、会場を出られないんじゃないか」と思われていた方もいるようですが、決してそんな事はありません。ひょっとしたら無意識のうちに「買って欲しいオーラ」みたいな物が私の体から発せられているのかもしれませんが、意識して「セールスのためのトーク」をした事はありませんし、そんな話術もありませんし、逆に喋り過ぎて、相手に引かれてるんじゃないかと、あとで軽く落ち込む事さえあります。

作品と鑑賞者の視覚によるキャッチボール。
これをまず楽しんで頂けたら良いと思います。

中にはじっくりと三周くらいしながら、満足した様な顔で何も言わずに帰られる方などもいます。
逆に足を踏み入れた事自体、何かの間違いだったかのように、一瞥だけして去って行かれる方もいます。

そして自分にとっては、誰かと何かを喋る事で、考える事、思いつく事があり、そこからもう一度自分の作品を眺め直してみる、そんな機会が「展覧会」なのかも知れません。

最後に自作について一言。
あの油彩画群は、実を言うと、ある事柄の「物語」でした。そして今後もこの物語は続くと思います。
なによりもこの物語が、自分が気付くよりも先の、ずっと以前から「私」によって語られていた物語なんだという事に、最近気が付きました。

・・・またちょっと喋り過ぎたかな?





中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html




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