何を目指して突き進む?・・・アート系フリマの行方

ここ数年、「アート系フリ—マーケット」(?正式名は知りません)なるイベントが各地を賑あわせているようです。そして最近ではその「アート系フリマ」で「町おこし」しようという動きが見られるようになって来ました。
アート&クラフト フリーマーケット<土澤>
これもそんなイベントの一つ。「萬鐵五郎」と言う画家に縁のある、この岩手県の花巻市内の「土澤」という所でこの連休中3、4日に開催。町に唯一の商店街通りとその側にある丘の上との2つの会場に、全国各地から集まった100点以上の出展者で行なわれた比較的大きなイベントです。


売る側も品定めする側も、それぞれ楽しく和気あいあいとした雰囲気の中で、色んな物を眺めたり、どうやって作るんだろうと感心したり。お祭りの屋台を見て回るぐらいの軽い気持ちで、ひょいと行ってみたくなるイベントでした。
でも冷静になって考えると、色々な疑問や課題も見えて来ます。
期せずして、オープンよりも早くついてしまった私たちは、開催前の「日常の商店街」の様子を垣間見てしまいましたが、その古くくたびれて閑散とした感じが、この場所の「363日間」の姿かと思うと、ちょっとがっかりしてしまいます。
出店されている商品(または作品)の多くは、「お祭り」という雰囲気の中でなら成立もしますが、いざ、購入してみて、いつまでも「飾って、眺めて、使って楽しいもの」かと言うと、そうじゃない物も多々あります。
手軽さや買い易さばかりが強調され、アートと呼ばれる物さえ100円ショップの商品の如く扱われて来ているのかとも思える昨今。大切な事はこの身近で取っ付き易いところから、入って来た人たちの意識を「商品」ではなく「作品」の方へ向けさせる事ができるかということ。
「アートフリマには関心があるけれど、アートには興味がない」人ばかりが増えても、結局は何も根付かないし、発展もないような気がします。
それは「アートで町おこし」という観点でも同じで、このイベントが終わってしまえば、いつもと同じ閑散とした商店街が残ってしまうのでは全然「町おこし」ではありません。
街全体が「いつでもアートに接する事のできる場所」となり、いつでも町のあちこちに作品が展示され、購入できる。そんな町に作家さんたちが住むようになり、お互いが良い意味で、刺激し合い、時には競合し合う。同時に町の人口も増え、作家活動はもちろん普段の生活や子育ても安心してできる町へ発展する事。
そしてここに遊びに来る事で、ここに住んでいるたくさんの作家さんと、直に交流のできる町。
そんな姿こそが本当の意味での「アートで町おこし」なんじゃないかと思います。
「残りの363日の姿」を真剣に考えなければ
「アート」も「町」も、結局は共倒れしてしま
うんではないでしょか?

http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html
http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/
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