春眠?それとも「大いなる眠り」?

飽きもせずに、雨。
時々、強風も伴ったりして、桜の花の「命短し、恋せよ乙女」。
って、よくわからない?
学生の頃は、季節に関係なく、いつも眠かったけど、今はどうでしょう?とりあえず、昨日は昼頃からあくびの連発でした。

レイモンド・チャンドラー 作
双葉 十三郎 訳/創元推理文庫 刊
チャンドラーの処女作。
とある老富豪から調査の依頼を受ける私立探偵フィリップ・マーロウ。そこにその富豪の娘二人が絡んで来て、話はどんどんややこしくなり、深みにはまっていきます
富豪だから当然お金持ちなのに、全然幸せそうじゃない人たち。ただ惰性で生きて来て、その勢いが止まりそうなのを自覚して、焦っているようにさえ見えます。
探偵小説と言うか、推理小説と言うかはともかく、その手のジャンルの本と思って読むと肩すかしを食らいます。
良い意味で。・・・たぶん
この作家はひょっとすると、推理小説にお決まりの「最後の謎解き」みたいのがあまり好きじゃないのかもしれません。だからマーロウもそんな事はしません。
実際、私もあまり好きじゃない。これは映画などで見るとより判り易いんですが、最後ばかりが重くなり全体として不自然な印象になるからなんでしょう。
その不自然さを解消する方法。それは主人公が
「刑事ではなく、私立探偵である」ということ。
推理小説の定番を、あえて無視する事で、登場人物たちが血肉ある存在として、生き生きと物語の中で動いているのです。
「どうやって殺すの?」
「アリバイはどうしたの?」
そんな「方法」よりも、もっと重要な
「なぜ、そうしてしまったの?」という動機みたいなもの。
そこへ行き着つかなければならなかった人たちの「悲しみ」みたいなものが垣間見えて、何ともせつなくなる一冊でした。
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html
何もないサイトですが、受賞作品だけは見れます。
http://www.ueno-mori.org/kobo/taisho27/index.html
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コメント
KOZOU 様
コメントありがとうございました。
私はハードボイルでと言われる小説が「なんかカッコつけてるみたい」な印象があって、ずっと読んだ事がありませんでした。
でもチャンドラーの作品を読んでみて、その印象もちょっと変わったかもしれません。
おまけにこの作品が今から半世紀以上前に書かれているという事実にも驚いています。それくらい人物が生き生きとしていて、今でも色あせていないということなんでしょうか?
でもさすがに文中の「(車の)窓拭き取り装置」(ワイパーの事)という訳には、さすがにちょっと笑ってしまいましたが。
こんどKOZOUさんのブログも拝見させていただきますね。
こちらにも気軽に観に来て下さい。
投稿: 中野 | 2009年4月25日 (土) 06時54分
こんにちは。初めまして。
あまりミステリーは読まないのですがチャンドラーは好きですね。
書かれてありますように謎解きに振り回されるのではなく、確かに人間が生きて動いているような。哀愁のある雰囲気も好きです。
わたしのブログは雑多なことを書いているものですがのぞいていただいたら嬉しいです。
投稿: KOZOU | 2009年4月24日 (金) 15時11分