手が見えた朝に
朝、目が覚める。
長い冬眠から醒めた直後みたいに体がごわついて、上手く起き上がれない。
それとは相反するように、頭は妙にすっきりしている。
温まった布団の中で、なんとか体を動かしてみる。
視界の中に、無造作に投げ出された自分自身の左手が転がっている。
まるで自分の手じゃないみたいに見える。
見える。
すでに朝日は高く昇っていた。
朝寝坊してしまった事に気づく。
× × × ×
昨晩からの雪で、外は銀世界。汚れたガラス窓を通して入ってくる朝の光は、キラキラしていて、笑っているように見える。
× × × ×
昨日の会話を思い出す。
「『売れない画家』とは書けないよ」
しばし考える。
でも他に上手い言葉が見つからない。
で、今さっきふっと思いついた台詞。
「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。」
じゃ「飛ばねぇ画家」は、ただの画家?!
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html
http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/
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