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2008年11月26日 (水)

ようやく終わった「ガンバ」の冒険

08112601

 長かった冒険の旅もようやくピリオド。

 冒険者たち
 ガンバとカワウソの冒険
 グリックの冒険


 斎藤 惇夫 作 薮内 正幸 画/岩波書店 刊

 一度、子どもの前で音読してしまったのが運のつき。今日までほぼ、二ヶ月半かかってようやく3冊全部読み終わりました。もちろん全部音読で「ガンバとカワウソ〜」なんか読み切るのに5週間もかかってしまいました。

 「冒険者たち」は以前にも紹介したので省略。
 「ガンバとカワウソ〜」の方は前作でいなくなったメンバーに代わり、新たな仲間を加え、再結成されたガンバと15匹の仲間による冒険。本作は前半が仲間のうちの一人の恋人を捜しに行く話で、後半が表題にもなっているカワウソとの冒険。


 描写が丁寧でしっかりしている分、逆に長く(くどく?)なり過ぎて「5歳の子どもにはちょっと退屈かな」なんて思ってましたが、侮るなかれ、脳が若くてフレッシュな分、大人が飛ばして読みたくなるような細部までしっかりと記憶しているようでした。おかげでこの緻密な描写が、既知の情報が少ない子どもの脳の想像力を高めるのに、大きな役割を担っていたようです。

 「グリックの冒険」は、ガンバも出てきますが、基本的にはグッリクと言うペットのシマリスが、自分の故郷を探し「北の森」を目指していく冒険のお話。

 ガンバと15匹の仲間も出てくるのですが、ガンバ以外は具体的にその名前などは一度も出て来ず、ガンバ自信も前半部に少し出てくるだけです。ただ登場期間は短いですが、その存在が後半の物語の鍵となってます。
 一見単純そうな冒険物みたいですが、情景描写はもちろん、登場人物(?)の心の葛藤がとても丁寧に描かれていて、それが生死に関わってくる分、考えている以上に重厚な物語に仕上がっています。
 子どもの読み物としてはもちろん大人でも充分楽しめるないようです。

 そしてこのシリーズを通して描かれている挿絵は、とても正確な描写にも関わらず、動物たちの表情がとても豊かで、その絵の中の動物たちの姿を見るだけ喜怒哀楽まで伝わってきそうです。

 物語が読み終わった今でも、子どもの頭の中では永遠にガンバやシマリスたちがどこかで冒険を続けているようです。



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