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2008年11月25日 (火)

今回は有色下地/その3

08112505

 今回で 有色下地作りの行程も、いよいよ最後になりました。もう少しだけおつき合い下さい。

08112504 これから塗布していくのはブルー系の色です。ホワイトや今回の赤褐色の顔料もそうですが、元来、下地材として使われるのは不透明色です。しかしここからはあえてウルトラマリンブルーという透明色を使用します。
 理由は様々ですが、それについてはまた後ほど。以前は「コバルトブルー」という高価な色を使っていましたが(ラピスラズリじゃないけれど、セロリアンブルーやターコイズブルーなど青系は高価な色が多い)、やっぱり「下地材としては高価過ぎる」ということで今回はウルトラマリンを使います。

 行程としては前回のインディアンレッドの時と、大きな違いはなく、一度目を塗ったら、感想を確認してから、刷毛目を交差させる形で2度目を塗ります。
 やはり刷毛は撫でるように優しく運んでいきます。間違っても、何度も擦ったりしないように。下の色が融けてくる可能性もありますので。

08112506 一番上の写真はまだ塗れ色の状態ですが、これだと見た通り、ほとんど黒っぽく見えます。実際、絵の具の混色で黒を作る時にも「茶系+青系」だったりするので、ある意味当然と言える結果です。
そしてこの2度塗り目が徐々に乾燥してくると・・・

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 ご覧のように深く濃い青の下地が出来上がります。「青」と言うよりも「碧」とか「蒼」とか呼びたくなるような色になります(実際には「碧」は緑に近い色だから違うけど)。そんな複雑で深みのある色合いになります。

 前にも書きましたが、この後の下絵ではテンペラなども使いますが、最終的には油絵の具で表面を塗り重ねて行くので、この下地が最後までこのままの状態で見える事はほとんどありません。
 しかしこの下地がある事で、塗り残し部分も単なる「塗り残しではない」マチエールみたいな物として、存在し続けます。この「強い存在感のある塗り残し」は市販の白いキャンバスには到底真似できるものではありません。

 でもこれが万人に使い易い下地材である訳では決してありません。私がこれに行き着いたのも、もともと描こうと思っていた作品の全体像について思いを巡らしているうちに出た結果であり、私自身全ての作品にこれが有効かと言うと、決してそうではありません。

08112503

 でもこんなキャンバスをじっと眺めていると、いつしか感覚が麻痺していき、何か凄く良い絵が描けるんじゃないかと言う、何の根拠もない錯覚に捕われていくのです。
 ズブズブ・・・。



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