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2008年11月10日 (月)

こんな風に描いてます/その2

08111001

 昨日の続き。

 昨日で鉛筆と卵テンペラで大まかに下図を描き入れました。卵テンペラ自体は一応「乾くと耐水性」ですがそれほど堅牢な物ではなく、水や油をつけて強く擦ると剥がれてきます。鉛筆の線も溶けて油の中に浮いてきて、絵の具自体が黒っぽくなったりします。

 1.そんな色落ちを防ぐため。

 2.色調を統一する。

 3.明暗の諧調を描き易くするため。

 などなどの理由により、油絵の具による 透層 塗りを行ないます。

 基本は ダンマル樹脂溶液+油絵の具 の混ぜ物で、ようするに塗ると下が透けて見える程度の濃度の色付きの液体(「おつゆ」とも言う)を作り、それを画面に刷毛などで塗ります(この行為を「おつゆがけ」とも言う)。

 今回は絵の具は「インディアンレッド」を使います。本来なら透明色を使うのがセオリーですが、あえて不透明色を使います。ただ不透明色と言っても、下は透けて見えるので問題ありません、て言うか見えてもらわないと困ります。

 一般的にはキャンバスを寝かして、一定方向に平行に塗っていくのですが、
 ・このサイズを横にするスペースがない
 ・タッチを生かしたい、

 という理由で今回はあえて斜め傾斜を付けた刷毛目で、少し乱暴に塗っていきます。なるべく塗り残しがないように注意しますが、ちょっとぐらいなら塗り残しもOK。むしろ気をつける事は 刷毛目をクロスさせないこと。

 そうそう、テンペラで下塗りしたときはそれを乾燥させるのに、最低でも1昼夜以上はおく事。乾いてると思ってすぐにこの透層を施したら、油絵の具と一緒にテンペラの層が剥がれてきた、なんて悲劇を経験したくないなら。

 その透層を施したのが上図で、垂れた後やムラも相当ひどいですが、この絵の場合はこれでも大丈夫(だと思う)。もちろんこの後に色をどんどん重ねていくので、この下塗りの色が最後まで見える事はほとんどないはずなのですが、何故かこの下塗りの色が最後まで影響して来る 大切な一色 なんです。

08111002 この透層が乾いたら、卵テンペラで着色していきます。

コバルトブルー+チタン白

 空の色です。

08111003プルシャンブルー
 +ローアンバー+チタン白

 雲の暗部です。

 あえてテンペラで着色するのは、出来上がりに近い(出来上がりを想像できる程度の)画面を手早く作る事が出来るからです。
 デメリットは塗れ色と乾燥したときの色が大きく異なる事。作った色が途中で無くなると、混色で同じ色を作るのが難しいんです。

08111004 チタン白

 雲のハイライト部分を描きます。

 この着色も最後まで残る事はありませんが、この後の方向性を決定づける重要なポイントになります。

 このテンペラが乾燥するのを待って、その後にもう一度、透層を施し,油絵の具で描写していきます。

中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
  web版「中野修一 絵画展」も公開中!

   http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html
  

私の作品が西脇市サムホール大賞展に入賞しました。
   http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/


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