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2008年10月 9日 (木)

画廊ってこんなところ!その1

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「個展の開催、おめでとうございます」

 時々そんな風に言われる事がある。まあ、確かにめでたい事ではあるし、ある意味、誰にでもできる事ではないし、やっぱりそういわれると悪い気もしないのでそのままありがたくお受けするのですが、そういわれるとちょっと背中の辺りがくすぐったくなるのと同時にちょっとした「違和感」も感じてしまいます。

 じゃ、この違和感ってどこから来るの?それは、画廊というものの中身を知っているかどうかの違いから発生するんじゃないかと思います。そこで今回から少し「画廊」または「ギャラリー」と呼ばれているもについて私の分かる範囲で解説したいと思います。なお、これはあくまでも日本国内に限った事で一歩海外にでも行けば状況は全然違うということも一言付け加えておきます。
興味ありましたらおつきあい下さい。

大きく分けると2つの形態があります。

 画廊と言えば、美術工芸品を展示および即売をする場所。それが一番シンプルな答えであり、作品を鑑賞しに来る人にとってはそれ以上でもそれ以下でもありません。そして美術館と違い、そこに気に入った物があれば購入できると言うのが画廊でしょう。
 ところがここで展覧会を行う側から見ると同じ画廊と言われる物でも大きく違う2つの形態があります。それは・・・

「企画画廊」と「貸し画廊」

「企画画廊」 これは画廊のオーナー(個人又は団体)が自分たちの気に入った作家の展覧会を企画してくれる画廊のことで、極端に言えば、作家は作品さえ持ち込めば後は全部やってくれます。もちろん経費の多くは画廊が負担してくれて、宣伝活動から顧客集め、接客などもこなしてくれます。この企画画廊の最たる物が百貨店の美術画廊でしょう。ただそのことからも判る通り、これは「作品を売る」商売で絶対に損はできませんので、彼らは売る事にとても真剣です。そして売り上げの少なくとも半分以上が画廊の取り分です。もしあなたがここで10万円の絵を買ったとして、作家の手元に入る金額は5万円以下ということです。
 たくさん売れれば、「来年も、是非お願いします」といわれますが、そうじゃないとみんな離れて行きます。
 もちろん私のような何の実績もないただの絵描きが目に止まる機会などほとんどなく、よほどのコネでもない限り、このような場所での展覧会は無理と言えるでしょう。一方・・・

「貸し画廊」 これは個展をやりたい作家自身が画廊に会期分の家賃を支払って、展覧会をすると言うもの。要するに間借りですね。こちらは光熱費込みの家賃を払うだけなので、宣伝も客集めもポップやポスター作りから、何から何まで全部自分でやらなければなりません。そのかわり売り上げのほとんどは自分の手元に残ります。だから売れたときの実入りも良いですが、出費とそれに関わる手間ひまは大きくかかるということです。

 大きく分けるとこんな風に大雑把ではありますが2形態に分類する事ができます。もちろん大なり小なり画廊によっての違いはありますが。

 企画画廊で個展ができるということの凄い所は、そこにどんな思惑があるにせよ「自分の作品が第三者の目に止まり、その誰かが自分のためにわざわざ展覧会を開いてくれるということ」。これはとても意味のある事で「おめでとう!」に値する事なのかもしれません。

 一方、私のような貸し画廊の展覧会は、極端な言い方をすれば、「お金と作品とやる気」さえあれば誰にでもできる事なのであり、「おめでとう」というよりもむしろ「ご苦労様」と言われた方が、何かしっくり来るような気がします。

 どちらが立派でどちらが下らないか、それはもちろん画廊の形態や種類ではなく、そこに置かれている作品の善し悪しが決める事なんです。でもこんな目に見えない、普通の人にはちょっと解りにくい世界があるのです。




2008 中野修一 絵画展
  日 時:2008年10月22日(水)〜26日(日)
     11:00〜20:00(最終日は17時まで)
  会 場:cocolaboratory(ココラボラトリー*ギャラリー)
     秋田市大町3丁目1-12川反中央ビル1F

2008dm

 DMの郵送希望者も募集しています。下記の中野修一公式ウェブサイト内の「問い合わせ」からメールいただければ、お送りします。

 なお、郵送の方は無くなり次第、終了致しますのであしからず。



中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
  雪梁舎フィレンツェ賞展の入選作も公開中

  
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html
  


私の作品が西脇市サムホール大賞展に入賞しました。
  
http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/


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