上品な味/食パン

湯沢市中心部、それも商店街の辺りを歩いてみても、ここが城下町である事を思い出す要素さえ見つからないような、味気のなく淋しい町だったりします。そして「城下町である」という事実以外、この町を「小京都」と呼べる要素など、どこにあるのだろうと考えながら、目抜き通りをあきらめて、細い路地へ一歩入ると、所々に残った板塀や蔵の跡にそんな名残を垣間見れる場所がかろうじてあるのみです。
そんな市内でも昔の面影を比較的多くとどめている一角があり、その界隈の高台から見下ろす湯沢の町並みは、また少し趣の異なる落ち着いた風景だったりします。天気の良い日ならその背後に鳥海山もきっときれいに見えるんでしょうね。
そんな町並みの一角にあるパン屋さん。看板が無ければ、そこにそんな物がある事さえ気づかないような場所で、曜日限定で営業しているお店です。何でも通販が専門だそうです。
そこで売っている食パン。一見何の変哲も無い食パンなんですが、よく見るとその形、それも角の角張り方の微妙さが他の食パンとどこか違うような気がします。その全体の形に何とも言えない品があるのです。
鼻を近づけなければ気づかないほど、はかない香りですが、それは優しくてとても上品。舌触りや味は・・・「百聞は一見にしかず」ではありませんが、言葉では何とも表現しようがありません。ただ「凄く飛び抜けて美味い」というよりは「心に静かに響くような美味しさ」と言えば良いのかもしれません。
あえて一言で言うなら、
上品な味
「味に品格がある」というのはこういうことを言うのかもしれません。一口食べれば、黙ってしまうような、姿勢を正してしまうような。そんな味に出会いました。
「毎日でも食べたいような味」ではありますが、決してそうさせてはくれない「壁」があることも、最後に付け加えておきましょう。
日 時:2008年10月22日(水)〜26日(日)
11:00〜20:00(最終日は17時まで)
会 場:cocolaboratory(ココラボラトリー*ギャラリー)
秋田市大町3丁目1-12川反中央ビル1F

DMの郵送希望者も募集しています。下記の中野修一公式ウェブサイト内の「問い合わせ」からメールいただければ、お送りします。
なお、郵送の方は無くなり次第、終了致しますのであしからず。
雪梁舎フィレンツェ賞展の入選作も公開中
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html
http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/
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