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2008年7月 5日 (土)

黒電話

08070402

先日出かけた象潟のとあるお家で、昔懐かしい黒電話を見かけました。真っ黒なボディーに丸いダイアルがついているやつで、うちの実家に初めて取り付けられた電話もこんな感じでした。「テレビが初めてやって来た」というシュチュエーションが、よくテレビドラマや映画で取り上げられますが、電話だってそういう時期があったんですよ。当時は、全戸に電話がある訳ではないので、隣近所のおばさんが電話を借りに来たり、逆に隣近所あての電話がかかって来て、呼びに走らされたり。さすがに電話の横についているハンドルをぐるぐる回したり、交換手を呼び出したり、なんていうほど古くはありませんが。
こいつの優れている所は、ケーブルが一本しかない事。便利な機能こそありませんが、その機械を作動するための電源コードはなく、必要なエネルギーは電話線から来ていたので、例え停電になっても使えたのです。たぶん。
ちなみに最近の若い人にはこの使い方を知らない人も多いようで、以前職場においてあったダイアル式の公衆電話のそのダイアルを回さずに数字の部分をボタンをプッシュするようにひたすら押している中学生を見た事がありました。

目の前の黒電話と携帯電話を見比べていると、この2つが同じ一つの機能を有した機械だと思えなくなってきます。そこで私は黒電話の受話器をあげ、携帯の番号を回してみました。ダイアルが戻るまでの短い待ち時間が積み重ねが、ただでさえ長い電話番号を余計長いものに感じさせます。回し終えると、やがて携帯の方から着信音が鳴り始め、ちゃんと繋がっている事を確認。着信履歴だってしっかり残っています。
今度はその着信履歴を頼りに黒電話に電話をかけてみると今度は黒電話が鳴り始めます。

薄暗い中で微かに黒光りするその黒電話を眺めていると、その電話が「今」という時間に繋がる事の方が不思議に思えて来ます。そこだけが30年前と変わらずそこにあり、そのやっぱり黒いケーブルの先は、どこかずっと昔に忘れてしまった懐かしい昔に繋がっているように思えるのです。

懐かしいベル音とともに呼び戻された懐かしい記憶が、残響のようにしばらくの間、頭の中でコダマしていました。




私の作品が西脇市サムホール大賞展に入賞しました。

http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/


中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html

ウェブ企画展『公募展入選作品展』開始しました!


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