キャンバスを作る、その1
しかしいざ初めて見るとこれがやっぱり大変な仕事なんです。
使用するのは古キャンバスの裏側で、前にあった絵をはがして、ひっくり返して張り替えて、裏側に一からキャンバスを作り直すという作業。長辺が180cm近くあるので、これを貼り直すだけでも一苦労。30分ぐらいで終了するも、この時点ですでに汗だくなんです。
次の作業は「前膠塗り」
これはキャンバス布を保護するための作業で、この後塗る下地剤や油絵の具の浸透を防ぎ、布自体を腐食から守るために行ないます。左の写真のように一段づつ塗っていくのですが、すぐにはしみ込まず、少しずつ浸透していきます。膠(ニカワ)の成分に問題があると、ここの浸透があっという間です。刷り込むように隙間のできないように丁寧に塗っていきます。一通り塗り終わるとこんな感じになります。最初にヘリの部分を塗るのもお忘れなく。ムラになっているようにも見えますが、今までの経験から言うと、一層目はこれぐらいでも大丈夫です。ただ百年後にどうなるかまでは責任は持てませんので、あしからず。
左の図を見て下さい。一番左の図は膠を塗る前、その隣の図は塗った後です。わかりづらいかもしれませんがニカワを塗ると布が縮んで木枠が大きく歪むのです。水分を含むと逆に膨張して伸びるような気もするんですが、実際はこうなります。だから最初に布を貼るときは、プライヤーなどを使わず、手で引っ張った方が良いと言う意見も聞きます。その方が貼り方が緩いので、キャンバスが破けたり木枠が壊れたりしづらいのだそうです。
膠水もなくなったので今日はここでおしまい。続きはまた今度のお楽しみ?
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