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2008年6月 4日 (水)

The Long Goodbye

最初に断っておきますが、これはあくまでも読書感想文。書評なんて物を偉そうにかける程本も読んじゃいないし、そんな知識も表現力も持ち合わせはおりませんので。

もともと先入観もあって、俗にいう「ハードボイルド」の匂いのする本はほとんど読んだことがありません。「ハードボイルド=カッコつけ過ぎ」の図式が出来上がっているのです。米国作家→私立探偵→ハードボイルドの固定観念ができている頭が、この本を選んだ理由はズバリ、「村上春樹 訳」だったからです。
ということで今回読んだのは


ロング・グッドバイ
レイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳/早川書房刊

一般的にはミステリ小説なんでしょうが、描写のキメが細かく豊かで、時々見せるアイロニーがなければ、自分が探偵小説を読んでいることを忘れてしまうような文体や表現がとても魅力的です。逆に言えば探偵小説というか、ハードボイルド的な要素のおかげで、アメリカの古き良き時代の上流階級が醸し出しそうな甘ったるい感触の中にのめり込まずに、その間に生じた微妙なバランスとコントラストがこの作品をより一層、魅力的にしています。全体がよく考えられ、凄く練られている感じです。

途中からはミステリ小説のお決まりである犯人探しや動機探しはどうでも良くなり、主人公フィリップ・マーローが「次は何て言うんだろう!」とか「この二人の会話はどんな風に続くのだろうか?」という方が気になって、ついつい読みふけってしまいました。


この世界には、(それが作家の意図する所かどうかは別にして)犯人を捜し出すよりももっと重要な台詞や会話や表現があることに気づかされた一冊でした。女性にもお勧めできる作品です。時間があれば是非どうぞ。




私の作品が西脇市サムホール大賞展に入賞しました。

http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/thumbhole/


中野修一公式ウェブサイト/この世界のカケラを眺めながら
http://homepage.mac.com/sekainokakera/index.html

※インターネットエクスプローラでも表示できるように改良してみました。


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